今日は句会があったのだが、そこ帰りに主宰の家に寄って「『沖縄の涙』従軍俳句・人と作品」阿部誠文著、を預かった。読むためには相当の体力と精神力が必要だと予想される。私の読書スタイルは読み散らすだが、そういう訳にはいかないだろう。覚悟してとりかかろうと思っている。それでも、とりあえず思いぱらぱらと捲ってみた。

隠れ食ふ誰か蜜柑の匂いくる 小菅政雄

雁帰るふる里思ふ夕空に    〃

父母は田に出る頃か初燕    〃

 たまたま開いたページの句。戦争を思わなくても読める句だ。それでも本のタイトルが「従軍俳句」となると蜜柑の匂、ふる里、父母の質量が違ってくる。否、タイトルを思わなくても、これらの句に読み手は湿潤な透明感のようなものを感じるだろう。

 この本、先入観無しに冷静に読み始めようと思う。

 

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