室生犀星の「山道」という詩
山道で咳のこえがする
山道で僕の考えていることを
誰かがそっくり知っている
僕はそれが誰だかハッキリ分からない。
ジュニア版世界の名詩『山と河の詩集』岩崎書店より。
以前、俳誌「野火」のコラムに取り上げたことがあるが、とにかく好きな詩だ。里山の峠道でも高山の尾根道でもいいだろう。静けさが際立っている。癒される孤愁という感じだ。ほんの少しだけ声を出して読んでみる。大きな声を出しては駄目だ。余韻が消えてしまうから。詩人はどこまで計算して言葉を紡いでいるのだろうか。
1968年発行。とにかく古い詩集。本文は活版印刷。中学生の時に手に入れたのだと思う。私の本棚に50年位差さっている。
赤城山全容見せて梅二月 大谷のり子
勢子の列段々曲がる野焼かな 鈴木康雄
野火歳時記から。
私はこのところすっかり山にご無沙汰している。以前は月一回くらいは低山、藪山を歩いていた。とりわけ赤城山周辺はよく歩いた。鈴木康雄さんは群馬県大間々の住人。この句の野焼は赤城山麓のものだろう。再開したいと思っているが、優柔不断でなかなか出かけられない。
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