片方のすこし短い秋簾 青山丈

冬ひでり田んぼで跳ねてゐるからす 大崎紀夫

 昨日も引いた『棒』10号から。

 この雑誌、良い意味でのただ事俳句がいっぱいある。一見ちょとしたスケッチだが、俳句実作者としては、ここまでシンプルに詠む苦労が少し分かる気がする。見たものを再構築して最良の言葉の組合せを選ぶのだ。何処にでもある情景の描写だが、その言葉の単純さによって読み手の負担が結果的に軽くなる。類想感が気にならなくなるのだ。これは令和の俳句のひとつの傾向だろうか。『棒』をよんでそんなことを考えた。

 

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