二週間に一回図書館に行く。借りるのは小説二三冊、画集か写真集一冊、俳句に関するものを一冊。今日は浅田次郎の『BLACK OR WHITE』、まど・みちお画集『とおいところ』、櫂未知子『食の一句』を借りた。
まどみちおの画集は概ね抽象画だが、最初の数ページは詩と対になっている。
「階段・1」という詩
この うつくしい いすに
いつも 空気が
こしかけて います
そして たのしそうに
算数を
考えています
椅子に空気が腰かけて算数を考えているなんて思いもよらない。思いも寄らないことが詩になる。空気は余白だろう。余白の美しい画集だ。
浅田次郎の小説は前に一度読んでいるかもしれない。数十年まえに読んだ本は覚えているが二三年まえに読んだものは覚えていない。大体三分の一位読み進んだ時に再読であることを確信する。
『食の一句』は確実に以前に借りた一冊だが、その日に食べたものは俳句にしやすいと思ったから。
串刺しの肉の火まみれ黄落期 田中哲也
臨場感のある句だ。
黄落の中の二つの背中。