イルミネーションのきらめく12月23日。明日はいよいよクリスマス・イブ。パーティーの日だ。町には音と光があふれ明日を祝福するかのようににぎわっている。こんなにクリスマスを待ち遠しく思ったのは幼い頃以来。なんてったって今年は特別なのだ。明日は午後3時に隣町の駅前で待ち合わせることになっている。それから買出しに行って、武士の両親が帰ってくる9時までには引きあげる予定。つまり6時間も渚と一緒にいられるってこと。渚とはクラスが違うからそんなに長い時間渚と一緒の空間にいるのは初めてのことだ。もちろん二人きりではないけど、クリスマスという格好のイベントを渚と一緒に過ごせるというだけで運命の女神に感謝したくなるくらい幸せだった。
さてクリスマスパーティーの前日にただただ町をうろついているのかといえばそうではない。明日のプレゼント交換のためのプレゼントを買いに来たのだ。電車で5駅目の駅前は地元と違って店の数も多いから買い物といえばだいたいここに来る。クリスマスの前日だからか冬休みが始まっているからか中高生が多く、クリスマスの賑わいを盛り上げていた。しかし、一口にプレゼントを買うといっても誰が私のプレゼントをもらうかわからないのだからなかなか難しい。八雲の好きなものなら大体わかるけど、それを渚が喜ぶだろうか?さっきからデパートに入ってみたり雑貨屋さんを覗いてみてはいるがなかなかこれというものが見つからない。しかも、雑貨屋さんの中は楽しそうにはしゃぐ女の子たちでいっぱい。あれでもない、これでもない、キャーコレ可愛い。とても可愛らしい光景ではあるがこう混んでいるとげんなりしてくる。やっぱり八雲をつれてくるべきだったかな?そうすれば少しは気がまぎれたのに……。ちょっと休憩しよう。と目についたコーヒーショップでカフェラテを買って椅子にすわる。コーヒーの香りと暖かい店内にほっと息をつく。いまごろ渚はどうしているかな。やっぱり私と同じようにプレゼントを買っている?それとも明日のケーキの材料?渚も明日のクリスマスパーティーを楽しみにしているかな……。渚のことを考えているとだんだんやる気が出てくるのだから不思議だ。温かいコーヒーを飲み干して私はさっと席を立った。
