2023年5月 両胸に痛みを感じる。


これは、胸の張りとは別物で、筋肉痛とも違う、次男を出産後に経験した乳腺炎のときに近い胸の痛みが胸全体に10数秒続いて、消失する。

毎日ではないものの、時々出現するようになる。


4月に転職したばかりで、仕事に不慣れな時期で緊張していて、今まで使ってなかった上半身の筋肉を使って疲労もたまってるのか、そこに生理周期とか、色々あったストレスとか、いろんなことが影響して痛みと感じているだけかもしれない。

乳がん検診ではなにもなかったし、見た目も変わりなくてしこりもふれないし、そもそも乳がんって痛くないと思ってた。


こうして、時々痛みを感じながらも、乳腺クリニックを受診しようなんて全く考えなかった私。


まさかこのあと、2ヶ月もたたずに、右胸にしこりを発見することになるとは…


夫が亡くなってから食事があまりとれなくなり、上半身だけ痩せてしまった残念な体型のおかげで、しこりに気がつけたのかな。


夫がいない悲しみや寂しさは変わらず深いが、

乳がんなんて伝えたら私より動揺したであろう夫がいないときでよかったし、もしかしたら夫のおかげでこのタイミングで発見できたのかもしれない。


元気に過ごしていて、やりたいことが沢山あって、努力を惜しまなかった夫が、出張先で一人突然倒れてそのまま亡くなってしまった。

治療の選択もできず、誰かに助けてもらうことも、家族に看取られることもなく、まさかのタイミングであっという間に逝ってしまった。

怖かっただろう、痛かっただろう、苦しかっただろう、悔しかっただろう、寂しかっただろう…

彼の無念さを考えたらきりがない。


私は今、生きている。

心の底にはドロドロとした感情が沈殿していて、ちょっとザワザワするとそのドロドロが舞い上がって心が真っ黒になる。

とても寂しくて不安で、なぜ頑張って生きなきゃいけないのかと投げやりになりたくなる時もある。

でも、私には子供たちがいて、家があって、仕事があって、体の異変に気がついて、病院にいって、これから治療を受けられる。

夫にはなかった選択肢が、私にはある。


どんなに大変なことでも、愚痴をいいながらでも、時間がかかっても諦めずに最後までやりとげる、そんな夫を尊敬していたし、夫は私のことをいつも応援してくれていた。

私の愚痴も聞いてくれたけど、

『なんだかんだ文句言っててもさ、やれるでしょ。』

とか冗談ぽくプレッシャーをかけつつ、私を信じてくれていた。



あなたがいなくて心細かったけど、頑張ったよ。


いつか会えたら、言えるように、今日も過ごそう。