智side



「…………さとし?」

「………‥グス………ッ…………」

「……………………」



和にしがみついて
声をころして一人泣く俺に。
 
和のまぁるい両手が
背中に回って。

ぽん…ぽん…と
静かに、あやすように背を叩く。



「………………ごめん、」

「……………ッ……………」

「あの日…あの時。
気付いてあげられなくて、」


「……………ク、ッ……………」

「一緒に…背負ってあげられなくて、ごめん、」



ちげーの。

和はなんも悪くねーよ、

って。
 

伝えたいのに。



後から出てくる涙を

堪えようとするのに精一杯で。

なかなか

言葉にできない俺に。



和の唇が
目元に近付いて。

情けねーくらい泣いてる
俺の涙。

ちゅ…っとキスして
柔らかな唇で拭ってくれる。



「これからは…俺にも、さ、」

「…………グスッ…………」

「俺にも…一緒に、背負わせてよ、」

「…………ッ…………」

「…………ね?」



キラキラ。

キラキラ光ってる。


琥珀色の

透き通った瞳が。

 

眩しい。



「…………んだよ、」

「……………ぇ?」

「お前……ばっか……」

 

「…………………」

 

「強く……なってんじゃん、」

「…………ふふっ(笑)」

 

「…………………」


「そりゃ…

Satoshi Ohnoの恋人だから、ね(笑)」



穏やかに笑う和と
キスして。

じっくり口内を 堪 能 しながら
閉まり切った小さな蕾に、指を 挿 し 込 めば。



ん…っと
甘 い 声 を 漏 らした和が。

もっと…って

その先を求めるように。

俺の空いてる手をとって。


ぎゅ…っと指を絡めて

握りしめる。



く ち ゅ…っと

音を鳴らしながら。


徐々に

俺の指を 呑 み込み。


少しずつ。

開き始めた蕾に合わせて。



身を 捩 らせる和の手を
ベッドに 縫 い 留 めて。

離れてしまわないように
絡 み合わせていた指を、お互い 絡 め 直 す。



「………は、ぁ……ん、っ………」

「……………だい、じょうぶ……?」

「…………ん…きも、ち、っ…ぁ………」



繋いだ手の先に見えていた
エンドラインが。

どこまでも道が続く
和との…リスタートへと
変わっていく。



和の ナ カ に埋める 指 で。

顔中にキスの 雨 を 降 らせる唇で。

柔 らかな身体を 撫 でる 掌 で。



確かに
和が腕の中にいることを。

身体中いっぱいに
全身で感じとる。



「…………ね、さと…し………」

「………………ん、」

「……も、い…から……」

「……………………」

「はや、く…ちょ、だ………」

「……………………だいじょ、ぶ?」

「……も……がま…でき、な……」

「………………ん、」



汗に 濡 れた和の 額 に
キスを 落 として。

仰向けにさせて。
上から和を見下ろしながら。

苦しいくらいに 勃 ち 上 がった
自分の熱を。

 

和の蕾に 宛 がう。



徐々に。

ゆっくり 挿 入 ってく
和の ナ カ 。



ハ ジ メ テ 交わった

あの時のように。


中々埋まらない、身体の 繋 がり。



二人で
汗に 濡 れながら。

ずっと。

手だけは離さないままで。


二人の 隙 間 を

ゆっくり埋めていく。



しばらくして。

ようやく隙 間 なく

繋 がり 合 った ソ コ に。

大きく息を吐いて
ほんの少しの息苦しさを吐き出せば。

同じく
熱 い 吐 息 を吐き出した和に。

下から…ぎゅ、っと
身体に回された両腕で 縋 られて。

晒 された 肌 も
全て 隙 間 なく 重 なり合って。



お互いの鼓動が。

汗が。

吐息が。



身体が。

心が。

一つに
混ざり合っていく。



「…………和、」

「……………ん、」

「和………………好き、」



やっと、言えた。



あの時から
ずっと。

何より一番
和に伝えたかった言葉。

止めどなく 溢 れて
溺 れてしまいそうだった。

 

和への想い。



やっと。
やっと。

和に言えた。



「…………俺、も。」

「…………………」

「俺も……智が、好き。」



ぽろ、っと
和の目尻から零れて。

つ…っと
頬を伝っていく涙。



親指で拭って。

それでも溢れる涙を
舌 で 掬 い上げれば。

水っぽくて、少し甘い
幸せの涙の味がする。



きつくて。

苦しさを感じるほど
ぎゅぎゅうに 締 め付ける和の ナ カ。



痛くて
しんどいはずなのに。

ね だ る ように
腰 に 絡 みついてくる和の両足に。

ゆっくり。
丁寧に。

和の ナ カ を
蹂 躙 していく。



「………ぁ、……はっ、ん…っ……」

「………っ……ハァ……ッ…………」



徐々に 解 れ
馴 染 んでいく感覚に。

あっという間に
限界を迎えて。



まだそんなに
動いてもないのに。

興 奮 で 

熱 く 乱 れる互いの呼吸に。


こつん、と額をぶつけ合って
くすくす笑い合う。



「早漏すぎ…だな(笑)」

「もう…やばすぎ(笑)」

「ってか…すっげ…出ちゃった///」

「俺……も///」



ゆっくり。
ゆっくり。

繋 がり合ってる 温 もりを
確かめ合いながら。

緩 慢 に 腰 を 動 かして
穏やかな心地よさを二人で味わう。



揺らしながら
上半身だけ起こしてみると。

真っ白な 肌 した
腹ん上に。

和がさっき 果 てた シ ル シ の
白 濁 が飛び散っていて。



ぐ…っと腰を曲げ
腹の上に、顔を寄せて。

ぺろり、と
舌 先 だけそこに 這 わせ。

和の幸せの シ ル シを
舐 め 取 る度に。

ぷにぷにした和の腹が
ぴく、ぴく、と可愛く 反 応 する。



「……ん…っ、や………」

「かわえ……和、」

「ん……さと、し………」



ぐ ず ぐ ず に溶けた
艶 やかな目で。

甘えるように
こっちを見る和に。

求 められるまま
体勢を戻してキスをする。



舌に残っていた
少しの 白 濁 が。

和の 舌 にも 絡 みついて
互いの 舌 を、結 びつける。



かわいい。
 

かわいい。



夢中になって
俺を求めて。

こんなに素直に
甘えんのも。

躊躇なく
絡 みつく 舌 も。

絡 み 合う度に
き ゅ ん き ゅ ん反応してる ナ カ も。

和の全部。

なにもかも可愛くて。



願って止まなかった
幸せが。

確かに存在する
腕の中に。



幸せで。
幸せで。

どうにかなりそうになる。



どちらの 唾 液 か
分からなくなるくらい。

ね っ と り 交 わし合った
濃 厚 なキ ス に。



とろんとさせた
表情の数を。

頭を撫でてから
再び上半身を起こす。



腰 を両手で持ち上げて。

更に 甘 った る く なった
和の 嬌 声 を、聞きながら。

さっきよりも
奥 深 くまで。

更に深く
一つになった。