大宮妄想小説、BLです。

ご理解のある方のみ、どうぞ。

苦手な方、不快に感じる方はご遠慮下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

智side



「…俺も、もうちょっと
余裕もてるよーになんねーとなぁ。」




ふぅ…っと
大きく息を吐いて。

未だ眠るニノの頬を
変わらず撫でていたら。



俺の膝の上で眠っていた
ニノの睫毛が震えて。

ゆっくりと瞼を開いて
ニノが目を覚ます。



「……ん………」



ぼーっとした様子で
少しの間、目だけで周囲を眺めて。

ようやく
寝起きの眠そうな視線で
俺のこと、捉えるニノ。



……まだ、眠そう(笑)



「………おはよ。」

「………寝ちゃってた。」

「疲れさしちゃったから。
ごめん。」


「……………んん///」



俺の言葉に
さっきの情 事 を思い出したのか。

うっすら頬を染めたニノが
もう、やっぱり可愛くて。

ニノの額に唇を寄せて
ちゅ…っと一つ、キスを落とす。



「身体…大丈夫?」

「ん…寝たら、ちょっとスッキリした。」

「もう、そろそろ時間だけど…
車で送ろっか。」


「んん、平気。
そこまでじゃないから。」


「でも…「……それなら、」

「それなら…
泊まる方がいいかな、とか(笑)」


「………………こら(笑)」



なら、泊まってく?
…なんて。

本音がぽろっと
口から零れそうになんのを
我慢して。

冗談交じりで、こつん…と軽く
ニノの額に当てた拳に。

ニノが、へへ…って
ちょっと悪そうな顔して、笑う。



「………まだ、かなぁ。」

「………………」

「早く…大人になりたいね。」

「………………」

「そしたら…先生と、ずっと。
一緒にいられるのに。」




早く大人になりたいって
いつも、そう口にして。

俺の側にずっといたいって
そう望んでくれるニノ。



ニノが描く
キラキラした未来に。

当たり前のように
そこに俺がいる。



当たり前のように
そんな未来を教えてくれるニノに。

胸の奥底が
甘くくすぐられる。



「…オトナになったら
仕事ばっかでいいことねーべ。」


「えぇ、でもさぁ。
行きたいとこも自由に行けるじゃん。」


「……出かけんのとか?」

「うん。」

「……旅行、とか?」

「………………うん///」

「わ、ニノえ っ ち ぃ。」

「ちょ、なんでよ///」

「だって…え っ ち ぃ 顔してる。」

「してない///」

「顔、赤いよ。」

「これは寝起きだから///」

「旅行でや ら し い こと想像したろ。」

「そんなこと言う
先生の方がや ら し い じゃん///」




眠そうにしぱしぱさせてた目を
一気に覚醒させて。

ばか、って
これまたかわいいこと呟いたニノが。

ポカ…って
俺のお腹を拳で軽く叩くから。



だって…って。

そんなしょーもないことばっか
言い合って。

ニノと二人で
しばらくの間、笑い合う。



「……二人で行けんの、楽しみだな。」

「……………ん///」

「……今は、さ。
今しかできないこと、思いっきりやろ。」


「…………………」

「ゆっくり、のんびり、さ。」

「…………………ん。」



あんまり焦らず
ゆっくり、のんびり。

希望溢れる未来を
あーだこーだ、一緒に語り合いながら。

ニノと一緒に
歩けたらいーな。



せっかく
こうして隣りにいられる時間。

大事にしてーもん。



「行けるならさ。
先生はどこ行きたい?」


「ん……沖縄、かな。」

「わ、いいね。」

「海とか行きてーじゃん?」

「俺は…食い倒れとかしてみたいよね。」

「……腹、もっとぷにぷになるな(笑)」

「その頃はバキバキだし///」

「筋トレすんの?」

「先生に負けない身体になんだもん。」

「…じゃ、今から一緒に腹筋する?」

「……や、来週からでいいや。」

「(笑)」



そうだよな。

菊池だか風磨だか
知んねーけど。



どんだけ
好きになられたって。

ニノが
揺らぐはずねーんだよな。



どんだけ
しわしわになったって。

どんだけ
よぼよぼになったって。

俺とニノなら
きっと。

そんなのも
全部、笑い合って。

お互いのことだけ見て
生きていける気がすんの。



それは…きっと。

ニノもおんなじ…
なんだよな。



「…そろそろ、まじで帰んなきゃ。」

「…また明日。
放課後、先生んとこ行っていい?」


「ん、つーか毎日おいで。」

「先生が先生してるとこ、ちゃんと見とかなきゃ。」

「”先生”って言われんのも、あと少しかぁ。」

「…なんかそんなのも、寂しくなるね。」

「今の内にいっぱい呼んで?」

「やだそれも恥ずかしい///」



自然と
重なり合う眼差しに。

どちらからともなく
引き寄せられるように。

目を閉じたニノの唇に
優しく、自分のそれを重ねる。



触れるだけの
簡単なそのキスに。

改めて感じる
ニノの唇の柔らかさとか。

じんわり伝わってくる
唇の温かさとか。



さっきの濃厚な愛し方とは
また違った。

綿あめみたいな
甘くてふわふわしたもんが。

胸ん中へと
じんわり広がる。



またね、って別れる前の。

絶対に欠かさない
いつもの、さよならのキスに。

唇を離して
見つめ合ったニノは。



満足そうに。

そして
幸せそうに微笑んでた。