大宮妄想小説、BLです。
ご理解のある方のみ、どうぞ。
苦手な方、不快に感じる方はご遠慮下さい。
和也side
「っあーーーー終わったーーー!!!」
土曜日の昼下がり。
相葉ちゃんと3人で集まった
翔ちゃん家の部屋。
さっきまで
隣りでうんうん唸ってた雅紀が。
あっひゃーーー!!!って
ちょっと変わった叫び声を上げて
ラグマットの上にひっくり返る。
「え、ちょ、早くない?」
「絶対最後、やっつけで書いただろ(笑)」
「だってもう思いつかないもーん。」
「なに書いたの?」
「ん?修学旅行のことー。」
「まぁそうなるよなぁ。」
やった終わったー!ってゴロゴロ転がる
雅紀が座ってるテーブルの上には。
半ば殴り書きのようにして書かれた
来週締め切りの、卒業文集用の原稿用紙。
「翔ちゃんは?一番の思い出なに?」
「俺は…二年の体育祭かな。」
「へぇ、なに?何かあったの?」
「クラス対抗リレー、俺らのクラス遅くてさ
隣りのクラスにバカにされて腹立って
すっげー練習したんだよな。」
「そうそう、特に翔ちゃんが燃えちゃってさー!
学級委員長より学級委員長だったよね(笑)」
「や、まじアイツには悪かったと思ってるから///」
「ニノは?一番の思い出なんなの?」
「…………俺?」
「ん。」
「ん……………文化祭、かな///」
「あ!今年とか最高だったよねー!
テンション上がったー!」
…………ほんとは///
先生と出会えたこと
…だけど///
でも…それは
まだ言えないから///
”二人には
卒業してから様子見て言おうね”…って。
先生と
話し合ってるから。
だから…
今はまだ、内緒の話///
「卒業ってさ、もうちょっと
寂しくなるかなーとか思ってたけど。
意外と、あんまり寂しくないんだよねー。」
「あー分かる。
なんかさ、まだこのメンバーでいられる
っていうの、でかいよね。」
「雅紀は…バンドしながら
家の中華料理屋さん、継ぐんだっけ?」
「うん!親父に直接しごいてもらう!」
「んで、俺が大学進学で
ニノがライブハウスに就職だっけ。」
「ん。働きながら音楽学べたらな…って。
ちゃんと本格的に頑張ってみたいし。」
「ニノの両親って
音楽とか…反対じゃなかった?」
「最初はね。だけど…スカウトの話もあったし
思い切ってずっと話をし続けてたら…粘り勝ちってやつ?」
”ニノがやりたいって思うなら。
諦めねーで、ちゃんと話してみたら?”
せめて大学は行った方が
って言う両親に。
俺自身は、バンドを本格的にやるために
大学で興味ないこと学ぶ暇があったら
音楽に関する現場で働いて、音楽の技やセンスを磨いたり
曲を作る時間にあてたい…って思ってて。
でも、案の定反対されて
やっぱり…って諦めてた俺のこと。
もう少しちゃんと
真剣に話してみよう…って思ったのも
先生の一言のお陰だった。
ちゃんと思ってること、全部話して
お互い納得行くまで
話し合うのも大事じゃない?…って。
そう言ってくれた先生のお陰で
両親と長い時間をかけて話しをして。
そこまで言うなら…って
最終的に、音楽に専念するのを許してくれた。
先生の言葉が、いつだって。
魔法みたいに
背中を押してくれるんだ。
「夜はさ、絶対集まろうね!」
「ライブとかできたらさ。
おーちゃん、来てくれるかな。」
「一番目にチケット渡そうよ!
あとファンクラブも、一番はおーちゃんね!」
「え、なにファンクラブって(笑)」
「そういうのあった方がさー
やる気でない?」
「んー…まぁ(笑)」
「20歳になったらさ!飲み会ね、飲み会!」
「ねぇ雅紀、気が早い(笑)」
あれもしたいね
これもしたいね…って。
どんどん大きく膨らんでく
俺達の夢。
……先生とも。
先生とも…二人で。
もっといろんなこと、できるかな。
お泊り…とか。
もうちょっと堂々とデート…とか。
旅行とか。
仕事終わりに会うとか。
一緒に買い物に行ったり、とか。
もっと。
もっと一緒にいられて。
先生のこと…
「恋人です」って///
言えるように、なるのかな///
「ね、卒業したらさ!
先生も入れて四人で卒業旅行、行こーよ!」
「お、いーね。」
「ネズミーランドとかさ!行きたくない?」
「ネズミーランドに…旅行?///」
どんどん、どんどん
キラキラ輝いてく未来に。
どき、どきって
胸が高鳴った。