大宮妄想小説、BLです。

ご理解のある方のみ、どうぞ。

苦手な方、不快に感じる方はご遠慮下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和也side

 

 

 

「もぉー!だぁーいじょうぶだから!

だから!今からちゃんと連れて行くから!

大丈夫だからね!……はい。はぁーい。」 

 

智さんに電話をかけた後

多分、相葉さんは俺が落ち着けるように

帰る間、いつもみたいに

明るく話しかけてくれた。

 

マンションに着いて、エントランスに入ると

また体が強張って。

 

エレベーターが開いても

乗るのに躊躇ってしまう。

 

「ニノ?大丈夫…大丈夫だよ。」

 

おまじないみたいな”大丈夫”に背中を押され

何とかエレベーターに乗り込むけど

不安は消えないまま、どんどん膨らむ。

 

どんな顔して会えばいい?

どんな顔して謝ればいい?

あんなことしておいて…

俺は一体…どうしたらいいの?

 

智さんの部屋の、ドアの前で立ち止まる。

いつもなら誰よりも会いたいはずなのに

今は、誰よりも顔を合わせられない。

 

また逃げ出したくなる衝動に駆られるけど

“ニノの味方だから”という

相葉さんの言葉が押し留める。

 

1つ、2つ深呼吸をして

ゆっくりと、ドアを開けると

多分、リビングでずっと

ソワソワしていた様子の智さんが

俺の姿を捉えた瞬間、すごい勢いで歩いてきた。

 

「智さっ…」

 

何かを言う前に

強く抱きしめられる。

 

「良かった……。マジで…‥。」

 

安心したように呟く声が耳元で聞こえると

また、涙がポロポロ溢れ出てきた。

 

「智さっ…ごめ、なさ…。」

 

“じゃあね”って言う相葉さんの声と

“ありがとう”って呟く智さんの声。

そして、ドアが締まる音が聞こえる。

 

「…ちょっと座ろう。

和とちゃんと話がしてぇ。」

 

優しく引く手に促されてリビングへ向かい

手を繋いだまま、ソファに並んで座ると

さっきまで抱いていた不安と罪悪感が

再び心の中を支配する。

 

「…………なぁ…和………。

なんで…出てったの……?」

 

「…智さん……ごめん……。

ごめんなさい‥‥‥。」

 

後ろめたさを感じれば感じる程

なんて言えばいいのか分からなくて。

 

「…なんで……謝んの……?」

 

話さなきゃ。

そう思えば思うほど

口からは震える吐息しか出てこない。

 

そんな俺に寄り添うように

智さんの、繋いでる反対の手がそっと

俺の手を、上からも優しく包み込んだ。