秋田の事について書いてあると言うので
シゲの本を初めて読んでみた
普段本を読む方ではない自分でも面白く引き込まれる内容だったと思う
報道の仕事をしていた主人公があるトラブルで別の部署に異動になる
喪失感を抱えながらそこで無名作家の一枚の絵の展覧会を開くため土崎にある石油製錬所の一族の過去を明らかにしていく
そして自身の家族、恋人、亡くなった上司と向き合いながら成長していく
秋田の産油地で採れた原油が運ばれる土崎が終戦前日に空襲にあう
戦災孤児となり引き取られた自閉症の道夫と石油製錬所の跡取り息子輝は少年時代よく一緒に過ごしていた
厳しく育てられた輝にとって道夫と遊ぶ事は心の拠り所で二人は強い絆を築いていく
道夫の絵の才能は素晴らしく輝をよく描いていた
輝は道夫のために将来石油製品で絵の具を作る約束をするが
二人のそれぞれの親代わりである兄弟が不仲のために壮絶な事件が起こり
輝と道夫は離れ離れになってしまう
道夫は数十年もの間いろんな所に住み込みで働きながら輝の作った絵の具を探し求め絵を描きそれを残していった
主人公たちは道夫が残していった絵と
輝が持っていた絵と合わせて念願の展覧会を開く
その会場でがんを患い余命短い輝と八十歳を過ぎた道夫が再会する
戦後激動の中を過ごした二人が六十数年ぶりに再会できた最後がとても温かく感動的だった
一枚の絵から輝と道夫の関係、二人に関わる人物や出来事が明らかにされていったが
良く調べられた事実とフィクションが上手に組み合わさり引き込まれる内容だった
原油やそれぞれの登場人物のなれのはて
とても読み応えのある作品だったと思う
直樹賞にノミネートされた他の方の作品は読んでないけど直樹賞取るんじゃないかなあ
賞を貰ったら大野くんが表紙を描いてくれるらしい
楽しみだね😊
直木賞残念でしたー😢
ノミネートされるだけあって素晴らしい作品だったけどな
映画化されないかなあ