本田圭、クライフからV前祝い/アジア杯
栄光へのイメージを描くように、瞑想(めいそう)にふけった。決戦の舞台、カリファ競技場での公式練習。本田圭は、マットの上にあおむけで寝転がると、雲ひとつない青空を見つめ続けた。
「何回も言ってきたように惜しいで終わるか、優勝して終わるのか。それは天と地の差。内容にこだわって勝ちたい」
開幕前に宣言した「優勝」まであと1勝。有言実行へ、言葉は確信に満ちていた。
“前祝い”も届いた。高校時代を過ごした石川県に“本田スタジアム”が建設されることが判明したのだ。昨季途中まで在籍したVVVフェンロ時代に獲得したオランダ2部リーグのMVPの副賞として、元オランダ代表のクライフ氏が運営する財団が、慈善活動の一環として贈るという。
石川・星稜高出身の本田圭が、建設場所として金沢市を希望。金沢市磯部町の市民サッカー場の近隣に今夏にも完成する。通常の半分程度の子ども向けの規模ながら、雪深い地域で年間通して使える人工芝を採用。VVVの本拠フェンロ市の企業の協力で、同財団が全額負担する。
バルセロナの監督としても成功を収めたクライフ氏は、ザッケローニ監督の攻撃的戦術のお手本にもなった。同財団が日本にグラウンドを作るのは初めて。まさに、指揮官の師でもあるサッカー界のレジェンドに認められた形だ。
“史上最強ジャパン”を証明する大記録もかかる。昨年6月24日の南アW杯・デンマーク戦から日本は11戦無敗(PK戦は引き分け扱い)。あと1試合で、国際Aマッチ12試合連続無敗の日本タイ記録を達成する。
その12試合のうち、W杯&アジア杯の公式戦9試合で5度のマン・オブ・ザ・マッチ(試合のMVP)に輝いた男は「きれいに勝てるイメージは安易。どこまでドロドロな試合を想定できるか」と記録継続の策もしっかり描いている。
さらに、アジア・サッカー連盟は大会MVPの候補選手を発表。日本からは唯一、本田圭がノミネートされた。三浦知良、名波浩、中村俊輔と歴代スターに続く、日本人4人目の個人タイトルにも王手をかけた。
韓国戦後の2日間は別メニューだったが、この日は練習に合流も果たした。準備完了。世界を魅了する金狼の左足が、ザック・ジャパンをアジアの頂点へと導く。(志田健)


