イガラシ ソウル -2ページ目

イガラシ ソウル

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12時半から手術が始まる


14時までには家族控室に戻ってくださいと
看護師の方から言われる


13時45分に家族控室に戻る



14時半になっても誰も来ない



14時40分頃

看護師さんが来た



「•••••が出なくて
もうしばらくお待ちください
あと一時間位したら戻ってください」



不安が頭をもたげる




車で不安と闘う



15時20分に家族控室に戻る


まだ来ない


不安がふくらむ




看護師さんが来た

「•••••がまだ出なくて
一時間後に戻ってきてください」



不安が恐怖に変わる



車で恐怖と闘う



16時25分に家族控室に戻る


すぐに看護師さんが来る
しかし、先程までの方とは別の人

「•••••今、少し•••いるところですが難しいと」




「もう良いです、手術を終えて

彼女を楽にしてあげてください」


という言葉が喉まで出掛かった




いや、それを彼女は望まないだろう





私は両手を握り


神にも、医師にも、家族にも、愛犬にも

力を借りようと思った•••••祈り


私は16歳で亡くなった父に話しかけた

「親父の生きるはずだった人生を

彼女に与えてやってくれ」


そして最後は、彼女という

人間を信じることしか私には出来なかった




17時

看護師さんがもうすぐ終わりますと

伝えに来てくれた


「説明は医師から詳しく聞いてください」


安堵とはまだいかず•••••




17時半を回った頃、医師が家族控室へ

来てくれた



説明を受けたあと

「手術は無事、成功したんですか?」

と聞く私に医師の表情は

「???」であった


手術は無事、成功した




私はもう手術を辞めてくれと思った


でも、彼女は1ミリも諦めずに

ずっと闘っていたのだ


私はこんなに頑張った人と

出会ったことがない





私は彼女を信じた





彼女は何を信じたんだろう






五十嵐聡