詩 『懸ける』 | イガラシ ソウル

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懸ける

俺は懸ける

芸人という生業に


ライブが終わって

戻ったアパートの部屋で

お客さんの笑い声と

笑わなかった心の声を思い出す


今日も敗れたか

ちょっと待て、あのお客さん

あの女性のお客さんだけ

めちゃくちゃ笑ってくれてたな

試合には敗れたが

内野安打一本は確実に打ったぞ


芸人ってこんな日々の繰り返し

正直、笑わす人間が笑ってない

テレビの向こうでは

スポットライトを浴びた

呼び方だけは同じ芸人が

笑いを取って、本人も笑っている

あんな表情、プロの芸人になってから

見せたことない


でも、ホントは心で

めちゃくちゃ笑ってくれた

あの女性のお客さんのように

自分の自虐ネタで笑ってる

こいつおもしろいなって


俺、おもしろいよなって


だから

そう思えるから

この生業に懸ける

俺は芸人に懸ける



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