短編小説 「あなたに逢えてよかった」 第五十三話アパートへ帰り、扉を開けるなり、悟が「沙穂里、やったぞ。一次選考通ったぞ、ほら」と言い、雑誌を沙穂里の前に投げると、沙穂里は雑誌を開きながら「本当なの?どこ?」「百十一ページの十番目。ちゃんと載ってるんだ」沙穂里は一次選考通過者が載っているページに辿り着くと、それを見て「わぁ、本当。やったじゃない悟さん。一一八一人の中の十一人だよ、すごいよ」「うん、俺も驚いてるよ。本気はやっぱり伝わるんだな」「そうだね、これで夢の小説家に近づけたね。今日はお祝いしよう」と沙穂里が言い、二人で買い出しに出掛けた。