短編小説 「あなたに逢えてよかった」 第四十三話 | イガラシ ソウル

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頬を張られた悟は、頬を押さえながら
「何すんだよ、負担に思っているならはっきり言えよ。俺は経済力もないし、小さい男だよ。俺はお前ほど幸せじゃないんだよ、もうほっといてくれよ」
と言い、アパートから出て行ってしまった。
残された沙穂里は泣きながら、心の中で
「悟さんが幸せじゃなかったら、私だって幸せじゃないよ」
と思った。
沙穂里と言い合った日から一週間が経ち、その日が悟の三十七歳の誕生日で、沙穂里は仕事帰りに、プレゼントとケーキとワインを買って帰ったが、悟はアパートに帰って来なかった。
高校時代、交際を始めてから、ずっと互いの誕生日は一緒に過ごしてきたが、この日が交際を始めて以来、初めて別々で過ごす誕生日と

なってしまった。