問題1

Aさん(78歳、女性、要介護3)は、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用している。72歳から人工透析を受けている。透析を始めたころから死を意識するようになり、延命治療を選択する意思決定の計画書を作成していた。しかし、最近では、最後の時を自宅で静かに過ごしたいと思い、以前の計画のままでよいか気持ちに迷いが出てきたので、訪問介護(ホームヘルプサービス)のサービス提供責任者に相談した。

Mr. A (78, a woman, needs care 3) uses home help service. He has been on dialysis since the age of 72. He had become aware of death since and he was drafting a decision-making plan for choosing living will.  However, recently, he wants to spend his last time quietly at home, so he was skeptical about keeping his previous plan, so he consulted with the service provider, Home Help Service.

サービス提供責任者Service Providerの対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 「この計画書は、医療職が作成するものですよ」

2 「一度作成した計画書は、個人の意向で変更するのは難しいですよ」

3 「意思確認のための話し合いは、何度でもできますよ」

4 「そんなに心配なら、特別養護老人ホームSpecial elderly nursing homeに入所できますよ」

5 「この計画書は、在宅ではなく病院の治療を想定したものですよ」

解答

1×生前の自分の意思、つまり遺言書のようなものですから自分自身が自分の意思で作成するものです。

2×変更可能です

3

4×自宅で静かに過ごしたいと希望しているので間違い

5×在宅での終末ケア、病院での終末ケアとどちらも想定しているものです。

 

問題2

利用者の意思を代弁することを表す用語として、最も適切なものを1つ選びなさい。Select the most appropriate term to represent the user's will.

1インフォームド・コンセント( informed consent

2ストレングス(strength

3パターナリズム(paternalism

4エンパワーメント(empowerment

5アドボカシー(advocacy

解答

説明を受け納得したうえでの同意という意味になります。

援助を要する者がもっているプラス面の強みのことです。

強い立場にある者が、弱い立場にある者の利益のためだとして、本人の意志は問わずに介入・干渉・支援することです。

潜在能力を引き出し、力をつけることです。

5〇弱い立場にある人の生命や権利、利益を擁護して代弁することをアドボガシーといいます。

 

 

問題 3 

他者とのコミュニケーションを通した自己(じこ)(かく)()として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 自己の弱みより強みを重視する。

2 自己の感情の動きとその背景を洞察する。

3 自己の行動を主観的に分析する。

4 自己の私生活を打ち明ける。

5 自己の価値観を他者に合わせる。

解答

2〇自己覚知がしっかりと出来ていれば、偏見や周りの意見に左右されることなく、その人に素直な気持ちで接することができます。自己覚知とはそういった人と接した際に生じる、様々な感情を見つめ直し、なぜそんな感情になったかを考える過程でもあります。それにより感情や価値観に流されず、その場に合わせた行動や会話を冷静に判断できます。

 

問題 4 (過去に類似問題)

高齢者とのコミュニケーションにおける配慮として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 相手と視線が合わせられる位置で話す。

2 相手には座ってもらい、自分は立ったまま話す。

3 初対面のときから相手と密着した距離で話す。

4 相手の表情があまり見えない薄暗い場所で話す。

5 たくさんの人がいる、にぎやかな場所で話す。

解答

1目線はできるだけ相手と同じ高さに合わせたほうが、 好感を持たれます。

相手が座っている場合は自分も座り、目線はできるだけ相手と同じ高さに合わせたほうが、 好感を持たれます。

初対面の場合は距離感が近いと相手に緊張や圧迫感を与えてしまうことがあります。できるだけ避けたほうがいいです。

コミュニケーションでは表情があまりみえない場所では、相手の意思などをうかがえることが出来なくなります。

静かな場所のほうが効果的です。 .

 

問題 5 (新出問題)

地域包括ケアシステムでの自助・互助・共助・公助に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 自助は、公的扶助を利用して、自ら生活を維持することをいう。

2 互助は、社会保険のように制度化された相互扶助をいう。

3 共助は、社会保障制度に含まれない。

4 共助は、隣住民同士の支え合いをいう。

5 公助は、自助・互助・共助では対応できない生活困窮等に対応する。

解答

公的扶助を利用するのではなく自立に関して自分で自分のことをすることです。

互助は費用負担が制度的に裏付 けられていない自発的なものです。

介護保険などは共助ですが社会保障制度に含まれます。

これは互助の説明

5〇公的扶助や社会福祉などは公助として生活困窮者等へ対応します

参考 「公助」は税による公の負担、「共助」は介護保険などリスクを共有する仲間(被保険者)の負担であり、「自助」に は「自分のことを自分でする」ことに加え、市場サービスの購入も含まれる。 これに対し、「互助」は相互に支え合っているという意味で「共助」と共通点があるが、費用負担が制度的に裏付 けられていない自発的なもの。