以前に投稿させていただいたように、知的障がい者施設に5年間務めた後、福利厚生や賃金など、より好条件の職場への転職を考えるようになりました。障がい者施設では、賃金が安かったことと家族経営のため、昇給・昇格など将来の展望に不安がありました。

   そこで、より安定した職場を探し、公益性の高い福祉団体への転職を考えました。そこは、一次試験としてペーパーテストと適性検査・小論文があり、一次試験に合格すると二次試験として面接がありました。このとき私は33歳でしたが、ペーパーテストに強い不安がありました。

   ペーパーテストの対策として、中学生からの数学と国語を勉強し直したり、公務員試験の問題を解いたりして対策しました。また、小論文については、その時の社会情勢や団体の理念などをホームページでチェックしながら、出題されそうな問題を何問か想定して、その全てに回答できるようにしました。

   そうして、12名のうち数名が合格できる一次試験に挑み、合格することができました。そして、後日面接を受けることになりました。面接の対策としても、聞かれそうな質問を考え、棒読みにならないように何回も妻に聞いてもらいながら、妻と二人三脚で試験に望みました。

   面接当日は、7人の試験官からの面接でした。一人一人の試験官から一つずつ質問されました。もちろん面接室の入退室の仕方や着席の仕方なども事前に頭に入れておきました。そうして面接も無事に終わり、12名中1名の合格を獲得することができました。

   このときの病状は、記憶力や判断力など欠如した状態でしたが、なんとか努力で乗り越えることができました。以前にも記載しましたが、五木寛之さんの「人事を尽くすはこれ天命なり」です。まさに、妻と二人三脚で努力できたのは、天命だったと思います。

   そして私は今、その会社を休職しています。理由は、ストレスからまた病気が再発したからです。これで3度目の発症です。その会社でのストレスや休職に至った経緯については、また後日記載したいと思います。しかし、これも天命なのか、私は退職を申し出たのですが、とても長い療養期間を与えていただきました(もちろん医師の診断書は提出しています)。そして、その長い休職期間も終わりに近づき、もうすぐ復職することになります。

   この会社が私の天職なのか、そうでないのかはまだ分かりませんが、何か天からの導きによって生かされている(働いている)気がしてやみません。ですので、題名の「精神病の転職」で感じることは、正職員の転職や就職にはかなりのエネルギーを使う事になり、それが天職であるかは働き続けないと分からないということです。病気をオープンで働くならジョブコーチの支援やトライアル雇用などの制度も有効と思われます。

   初めは天職と思っていても、後に「やりたい仕事じゃない」と思うこともあれば、最初はイヤイヤながらも、働き続けることによって色々な人と関係ができ、「天職」と思えるかもしれません。精神病にとって、働くとは一つの大きな壁ですが、社会とつながり貢献できることは、自身の幸せにもつながりますし、アルバイトやパートの履歴書を書いてみるだけでも、一歩踏み出せたと自分を褒めてあげて良いと思います。もちろん医師から「今は療養が必要であり就労困難」な方たちは、まず何よりも療養が必要です。

  転職が天職になるかは分かりませんが、自分にできることを探しながら、無理をせず働ける環境にするためには、自分の意思をはっきり上席に伝えたり、病気への理解をしてもらう必要も出てくると思います。そうして会社と折り合いをつけながら、長く安定して働ければ最高です。

   少し転職から外れた話も入り、病気のオープン・クローズなどの話はまた後ほど、詳しく記載させていただき、今回の記事はこれで終了したいと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。