SATOSHI -3ページ目
特養の
友と久しく
筆談すれども
混沌のまま
霧の中晴れず
桜咲く
一番乗りの高知城
南から北へと
ツバメも待ちて
偽らぬ
林檎のえくぼ
信じてる
幸せを生む
強き願望
テーブルの
林檎ひとつ
ふたつ減り
一つの重みを
残りたる日に
大好きな
林檎の顔を
追求し
クレヨンの色
重ね重ねる
丸かじる
林檎の年は
遠くなり
自在に描け る
クレヨン画にする
春にやっと
厚着にぬぎて
温い風
首筋に日差し
入りこむ吾に
枯れ枝の
紫陽花の芽は
ふくらみて
筆の穂先に
春のそば来る
病院の
エスカレータ吹き抜きに
デパートごとくに
病人ありきに
湾岸を
神戸の海空に
四十年の山削り
永遠に詠嘆せり

