山岸涼子先生作『日出づる処の天子(原画)』

 

 

 

 

 

 

 

皆様、お今晩は。1月10日迄サントリー美術館開館60周年記念展を飾る「トリ」の展覧会である「千四百年御聖忌記念特別展「聖徳太子 日出づる処の天子」展に行って参りました。その感想です。


令和3年(2021)は聖徳太子(574~622)の1400年遠忌にあたり、太子ゆかりの寺院では、周年を迎える令和4年にかけて盛大な法会や記念事業が営まれています。
用明天皇の皇子として生まれた聖徳太子は、推古天皇の摂政を務め、十七条憲法の制定や遣隋使の派遣など国家の礎を築いたことで有名な人物です。さらに、大阪・四天王寺や奈良・法隆寺の創建に代表されるように、仏教を深く修め、その興隆に尽くしました。太子は、「日本仏教の祖」として没後まもなく信仰の対象となり、天台宗開祖・最澄や浄土真宗開祖・親鸞、時宗開祖・一遍などの名だたる高僧や、貴賤を問わず多くの人々からの尊崇を集めてきました。
本展覧会では、太子信仰の中核を担ってきた四天王寺の寺宝を中心に、信仰の高まりとともに各地で造られたさまざまな太子像やゆかりの品々をご紹介します。太子の生涯をたどりながら、1400年の時を経て、今なお人々に親しまれる太子信仰の世界を紐解きます。

 

『聖徳太子童形立像(孝養像)』(茨城・善重寺蔵)

 

遠江法橋作『聖徳太子絵伝』(大阪・四天王寺蔵)

 

『如意輪観音座坐像』(奈良国立博物館蔵)

 

 

『南無太子像』(大阪・四天王寺蔵)

 

国宝『扇面法華経冊子』(大阪・四天王寺蔵)

 

国宝『四天王寺縁起(根本本)』(大阪・四天王寺蔵)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奈良国立博物館と東京国立博物館にて開催されていた「聖徳太子と法隆寺」展が、法隆寺と一度は皇室に献上されたものの国への払い下げとなった「法隆寺献納宝物」を中心にした国宝・重要文化財の綴れ織りでして、右を見ても国宝、左を見ても「国宝」と言う展覧会の王道を行く展示であったならば、此方の展覧会は国宝・重要文化財の数は圧倒的に少ないし、本来目玉の一つである『法華義疏』に関しても、トーハクの場合何と「御物」のバリバリのオリジナル。サントリーの方は言っては何ですが江戸時代の「写し」位の差があります。「国宝・重要う文化財」と言う御宝目当てで観に来ると失敗する展覧会ですが。「外道」(褒めています)には外道の良さがあって、楠正成も読んだといされている聖徳太子の予言書とされている『未来記』(四天王寺蔵)や、室町時代に描かれた聖徳太子絵伝があるのですが、何と所蔵者は「華道 池坊総務所」とあってぶったまげました。他にも聖徳太子が描かれたお札や山岸涼子先生の代表作の一つである『日出づる処の天子』の原画等、「聖徳太子と法隆寺」とはとても同一人物を扱っているとは思えない面白さが満載でありました。



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