『聖徳太子二王子像(模本)』(東京国立博物館蔵)

 

 

 

 

 

 

皆様、お今日は。東京国立博物館平成館にて9月5日迄開催中の特別展「聖徳太子1400年遠忌記念 特別展「聖徳太子と法隆寺」」を観て参りました。その感想です。


奈良・斑鳩の地に悠久の歴史を刻む法隆寺は、推古天皇15年(607)、聖徳太子によって創建されたと伝えられます。太子は仏教の真理を深く追究し、また冠位十二階や憲法十七条などの制度を整えることで、後世に続くこの国の文化的な基盤を築き上げました。聖徳太子を敬う人々の心は、その没後に信仰として発展し、こんにちもなお日本人の間に連綿と受け継がれています。
令和3年(2021)は聖徳太子の1400年遠忌にあたり、これを記念して特別展「聖徳太子と法隆寺」を開催します。会場では、法隆寺において護り伝えられてきた寺宝を中心に、太子の肖像や遺品と伝わる宝物、また飛鳥時代以来の貴重な文化財を通じて、太子その人と太子信仰の世界に迫ります。特に金堂の薬師如来像は日本古代の仏像彫刻を代表する存在であり、飛鳥時代の仏教文化がいかに高度で華麗なものであったかを偲ばせてくれます。
本展覧会は1400年という遙かなる時をこえて、今を生きる私たちが聖徳太子に心を寄せることでその理想に思いを馳せ、歩むべき未来について考える絶好の機会となることでしょう。

 

 

 

 

国宝 『聖徳太子及び侍者像』(法隆寺蔵)

 

国宝 『龍首水瓶』(東京国立博物館蔵 法隆寺献納宝物)

 

 

国宝  『天寿国繡帳』(奈良・中宮寺蔵)

 

『蓬莱山蒔絵袈裟箱』(東京国立博物館 法隆寺献納宝物)

 

国宝 『卓』(法隆寺蔵)

 

 

 

国宝『伝橘夫人念持仏厨子』(法隆寺蔵)

 

 

国宝『薬師如来座像』(法隆寺蔵)

 


実を申しますと馳星周先生の歴史小説である『比ぶ者なき』(中公文庫)を読んだ者としては、「聖徳太子は藤原不比等が蘇我氏の権威を貶め、天皇を神にする為にデッチあげたもの」として描かれていて、まあ、それを念頭に置いても「ブランドとしての聖徳太子」はやはり偉大でして、壮大なデッチ上げをしたからこそ、後世まで法隆寺を始めとして数々の文化遺産が後世迄残ったことを考えると流石と言う他ありません。今回は宮内庁書陵部から現存する最古であろう『日本書記』や御物である『法華義疏』等も含めてまず他では御目に掛かれない御宝のオンパレードでして、改めて凄いものを観させて頂きましたと唸るより他にありません。明治11年に法隆寺から皇室に献上されて、戦後国に移管された「法隆寺献納宝物」約300点の内、「法隆寺宝物館」で公開されているのがごく一部である事が今回の展示で解りましたし、凄いものを皇室に献上していたんだんだなぁと改めて唸りました。今回の目玉は秘仏 国宝 『聖徳太子及び侍者像』(法隆寺蔵)と同じく国宝の 『伝橘夫人念持仏厨子』(法隆寺蔵)、そして前期のみ展示の国宝の 『卓』(法隆寺蔵)だったりします。とにかくお宝のオンパレードなんで目移りにはお気を付け下さい。



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