舘鼻則孝作『Floating World』(作家蔵)

 

 

 

皆様、お今晩は。パナソニック汐留美術館にて9月22日迄開催中の特別企画「和巧絶佳展 令和時代の超工芸」へ行って参りました。その感想です。 

 
 


グローバル時代をむかえ、私たちを取り巻く物の均質化が進むなか、日本各地で育まれてきた工芸や手仕事が独自の表現を生み出す資源として見直されています。工芸というジャンルにとらわれることなく、素材を用い、技法を駆使して工芸美を探求する本展の出品作家の取り組みは、人と物との関係を問い直すとともに、手仕事の可能性の広がりを予感させます。
本展覧会では、日本の美意識に根ざした工芸的な作品によって、いま最も注目されている1970年以降に生まれた作家12人を紹介します。

展覧会タイトル「和巧絶佳(わこうぜっか)」は現在の日本における工芸的な作品の三つの傾向――日本の伝統文化の価値を問い直す「和」の美、手わざの極致に挑む「巧」の美、工芸素材の美の可能性を探る「絶佳」――を組み合わせた言葉です。この展覧会は現在の日本の工芸の新しい兆候を示すだけでなく、これまで受け継がれてきた日本の手仕事の可能性を考える機会となることでしょう。

 

 

桑田卓郎作『茶垸』(個人蔵)

 

深堀隆介作『四つの桶』(台湾南投毓繡美術館蔵)

 

池田晃将作『電光十進玉箱』(個人蔵)

 

 

 

山本茜作『源氏物語シリーズ第四十帖「御法」』(佐野市立吉澤記念美術館寄託)

 

髙橋賢悟作『 flower funeral -cattle-』(個人蔵)

 

 

 

見附正康作『無題』(オオタファインアーツ蔵)

 

新里明士作『光器』(Yutaka Kikutake Gallery蔵)

 

 

 

坂井直樹作『「侘び」と「錆び」のカタチ』(作家蔵)

 

 

安達大悟作『つながる、とぎれる、くりかえす』(作家蔵)

 

橋本千毅作『螺鈿・鸚鵡』(個人蔵)

 

 

 

佐合道子作『とこしえ』(作家蔵)

 

 

 


三井記念美術館にて「明治工芸と現代アート」の対決の展覧会以来の好企画でして、東京国立近代美術館が竹橋より金沢へ引っ越してしまった今となってはこうした工芸作品を纏めて観る機会はそうそう無いのですが、最初の舘鼻則孝先生の作品からやられっぱなしでして、この展覧会に関しては全作品写真撮影可能でしたが、プロの方が撮った写真には敵わないと言うことで全作品の画像は下記の公式㏋より画像を拝借しております。いやはやまだまだこうした職人気質の芸術家の方がいらっしゃると言う事でホッとした反面、良くこれだけの作家さん達の作品をポンとお借りできた事にコロナ禍でこの展覧会の会期が縮小されないで本当に良かったと胸を撫でおろしたのでした。

個人的には池田晃将先生の螺鈿と蒔絵細工にデジタル技法を融合した諸作品にぶっ飛んだのでありますが、髙橋賢悟先生の極小アルミ細工もまた負けていられないし、今回初めてお名前を存じたのですが山本茜先生のガラス細工の作品も優美であります。展覧会のトリを飾るのは正に超絶技巧の佐合道子先生の陶器(?)でして、一体作るのにどれだけ掛かったんだろうと思ったのでありました。会期がはじまったばかりなのであと2~3回は観てしかと目に焼き付けていきたいと思っております。



https://wakozekka.exhibit.jp/