試乗レポートⅡ  三菱i-MiEV(アイミーブ) | 近藤智司のブログ

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 Satoshi Kondo blog

試乗から戻ってきて販売店の駐車場でi-MiEVの観察です。


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メカニック出身の私としては、最も気になるのがやはり“中身”。


まずはフロントフードをオープン。
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ベースとなったガソリン車のi(アイ)もエンジンは車両後部に搭載しているので、このi-MiEVもモーター等はここにはありません。


ブレーキのマスターシリンダーやABSユニット、クーラーコンデンサーなどの補器類がセットされています。


その中でもこの大きな黒いケースは何だろう?
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と思ってケースを外すと、なんと普通の鉛バッテリーが載っていました。

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EVにもこれが?


販売店の方に聞くところによると、駆動用のリチウムイオンバッテリーとは別に、オーディオや空調などのアクセサリ類は全てこのバッテリーで電源を確保しているとの事。


へ~。


ということは、充電時には駆動用のリチウムイオンバッテリーだけでなく、この鉛バッテリーも同時に充電するのかな?



続いて気になるのが、この冷却水のリザーバタンク。

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え? モーターは水冷?


実はこれ、ヒーター(暖房)用の媒体で、駆動モーター自体は空冷。


つまりヒーターユニット(電熱器)でこの媒体(水+LLC)を熱し、室内のヒーターコア(熱交換器)で空気を暖めるというもの。


てっきり電熱器が直接空気を暖めるもの(つまり電気ストーブ)と思っていましたが違いました。


ということは、この媒体を循環させるウォーターポンプも勿論電動か・・・。


直感的に効率が良く無さそうなので販売店の方に聞いてみると、はやり「そうですね、EVの暖房はガソリン車などのそれと比べて効きはじめるまでに少し時間がかかりますね」との事。


また消費電力も大きいので、EVにとって冬季(暖房)+夜間(ライト類)+雨(ワイパー)は辛そうです。




そしてこちらはクーラーコンデンサー用のクーリングファン。

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もちろんクーラーコンプレッサーも電動で、試乗中に効きもチェックしたのですが、ガソリン車のそれと全く変わらず安心。


一部のHV車のように、アイドリングストップするとクーラーコンプレッサーも切れる(=クーラーが効かなくなる)なんて事もないようです(そもそも“アイドリング”なるものが存在しません)。
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そしていよいよ“原動機”を見てみます。


i-MiEVは、ベースのi(アイ)と同じくミッドシップレイアウトなので、原動機は車両後方にあります。


ラゲッジコンパートメントの真下あたり。


リアバンパーの下からしゃがみこんで覗くと、リアアクスルビームやドライブシャフトの向こうに(前方側に)鈍く輝くモーターが!。
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小さッ!


これが第一印象。


エンジンに比べて本当に小さいです。


原動機がこのサイズなら、EVのパッケージデザインはかなり自由度が高そうです。


モーターのトルク特性を活かした、ショートホイールベースのコンパクトスポーツカーなんてあったらすごく楽しそう。


性能としては、ベースのi(アイ)に設定されている3B20型インタークーラー付ターボエンジンと比較して、出力でほぼ同じ、トルクで約2倍!です。

   

<出力>

 i(アイ)ターボ  47kw(64PS)/6000rpm   

 i-MiEV      47kW(64PS)/3000~6000rpm    


<トルク>

 i(アイ)ターボ  94N・m[9.6kgf・m]/3000rpm

 i-MiEV     180N・m[18.4kgf・m]/0~2000rpm (!)


正に鬼トルク。


ミッションやデフのケーシングもEV専用のはずですが、比較するガソリン車のサンプルがなかったので割愛(でも中身はリバースギアとデフだけなのかなぁ・・・ あっ、モーターを逆転させれば後退出来るからリバースギアもないのかな?)。




そのモーターの上に、リアフロアに抱かれたインバータ(シルバーの四角い箱)が見えます。
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実は帰社後に調べてわかったのですが、このインバータは水冷とのことで、先記した暖房用の媒体(水+LLC)は恐らくこのインバータの冷却にも使われていると思われます。


リアサスペンションはベースのi(アイ)と同じく3リンク ド・ディオン式(フロントも変わらずマクファーソンストラット)。


センターフロアにある駆動用のリチウムイオンバッテリーは覗き込むだけでは見えませんでした。
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・・・このように、i-MiEVには電気自動車ならではの機構や機能が盛り沢山。


興味は尽きません。


納車された暁には、リフトアップなどしてもっと細かな点までじっくりとレポートしたいと思います。




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