昔の僕は、
「自分で把握していない状態」が苦手でした。
仕事なら、
誰が何をやっているのか。
案件はどこまで進んでいるのか。
問題は起きていないか。
メールは返ってきているか。
次の会議では何を聞かれるか。
なるべく全部、
頭に入れておきたい。
部下に仕事を任せても、
気になる。
「大丈夫かな。」
「進んでるかな。」
結局、自分で確認する。
家に帰っても、
明日の予定を確認する。
布団に入ってから、
「あれ、どうなったっけ?」
と思い出す。
スマホを開く。
確認する。
安心する。
でも、
また別のことが気になる。
ずっと、
そんな感じでした。
僕はそれを、
責任感だと思っていたんです。
出張が多かった頃、
飛行機によく乗っていました。
ある日のことです。
席について、
シートベルトを締める。
しばらくして、
飛行機が動き始める。
滑走路へ向かう。
そこで、
ふと思ったんです。
僕、
何も知らないな。
今、
操縦席で何を確認しているのか。
どのルートを飛ぶのか。
エンジンの状態はどうなのか。
天候をどう判断しているのか。
何も知らない。
なのに。
座っている。
しかも、
自分で操縦しようとも思わない。
当たり前です。
僕にはできませんから。
飛行機は離陸しました。
窓の外を見る。
街がどんどん小さくなっていく。
僕はコーヒーを飲む。
本を読む。
少し眠る。
その間も、
飛行機は目的地へ向かっています。
僕が監視していなくても。
僕が心配していなくても。
僕が頑張っていなくても。
ちゃんと進んでいる。
なんだか、
妙な感じがしました。
仕事では、
あれだけ何でも把握しようとしているのに。
飛行機では、
自分の命に関わることすら、
ほとんど他人に預けている。
それでも、
普通に眠れている。
その時、
少しだけ思いました。
もしかすると僕は、
仕事が多いから疲れているだけじゃないのかもしれない。
「自分が見ていないといけない」
という状態そのものに、
疲れているんじゃないか。
もちろん、
当時はそこまで深く考えませんでした。
目的地に着けば、
また仕事です。
いつものように、
メールを開く。
確認する。
指示を出す。
また確認する。
でも、
あの飛行機の感覚だけは、
妙に残っていました。
昔の僕は、
任せられないなら、
任せられる人間になればいいと思っていました。
もっと器を大きくしよう。
もっと部下を信じよう。
細かいことを気にしないようにしよう。
つまり、
またマインドの問題にしていたんです。
でも。
「気にするな」
と思っても、
気になる。
スマホを閉じても、
頭では考えている。
休日になっても、
月曜日の予定を考えている。
旅行へ行っても、
会社のことが気になる。
家族と食事をしていても、
メールが来ると身体が反応する。
これを、
ずっと性格だと思っていました。
でも後になって、
少し違う見方をするようになりました。
僕は、
仕事だけを管理していたわけじゃなかった。
ずっと自分自身を、
「何か起きたらすぐ動ける状態」にしていたんです。
会社にいる時だけじゃない。
電車でも。
家でも。
休日でも。
何も起きていないのに、
どこかで構えている。
そして何か起きれば、
すぐアクセルを踏む。
終わったら、
また次に備える。
アクセルを離しているつもりでも、
完全には力が抜けていない。
そんな状態を何年も続けていました。
それでも、
若い頃は乗り切れました。
寝れば、
なんとなく戻る。
週末を挟めば、
また月曜日から走れる。
だから僕は、
自分は大丈夫だと思っていた。
ところが、
ある時期から変わりました。
寝ても重い。
休日でも、
何もしたくない。
朝から、
もう残量が少ない感じがする。
小さな予定変更だけで、
妙に疲れる。
以前なら普通にできていたことが、
少しずつ重くなっていった。
それでも僕は、
さらに自分を管理しようとしました。
睡眠時間を管理する。
仕事を管理する。
タスクを管理する。
時間を管理する。
もっと効率よく。
もっと正確に。
でも。
考えてみれば、
少しおかしいんです。
管理し続けることに疲れている人間が、
さらに管理を増やしていた。
そこから僕は、
「どうすればもっと頑張れるか」
だけではなく、
自分が普段どんな状態で過ごしているのかを見るようになりました。
食事。
睡眠。
仕事中の感覚。
一日の終わり方。
休みの日の過ごし方。
身体に力が入り続けていないか。
仕事が終わった後も、
自分の中では仕事が続いていないか。
昔の僕なら、
「そんなことより仕事を片付けろ」
と思っていたかもしれません。
でも、
僕の場合は、
そこを見直すことの方が大きかった。
精神的に、
「手放そう」
と言い聞かせるだけじゃない。
そもそも、
ずっと構え続けなくてもいい状態を、
日常から作り直していく。
そんな感覚に近かったと思います。
今でも、
責任はあります。
確認しなければならない仕事もある。
任せたものを、
確認することだってあります。
でも。
全部を握っていないと不安。
全部を把握していないと落ち着かない。
そんな感覚は、
以前よりずっと小さくなりました。
そして、
一番変わったのは仕事以外かもしれません。
家に帰ったら、
仕事から離れる。
休日は、
休日として過ごす。
家族といる時は、
目の前の時間に戻る。
昔の僕にとっては、
それが意外と難しかったんです。
飛行機に乗った時だけできていた、
「自分が操縦しなくても進んでいく」
という感覚。
あれを少しずつ、
日常でも持てるようになった。
僕にとっては、
その方がずっと大きな変化でした。
そして。
僕がこの見方をするようになったきっかけの一つが、
以前から紹介している無料メルマガです。
僕も最初は、
ただ読む側でした。
当時の僕なら、
「もっと効率よく働く方法」
みたいなものを期待していたと思います。
でも、
実際に僕が考えさせられたのは、
もっと手前でした。
なぜ、
休んでいる時まで構えているんだろう。
なぜ、
身体が重いのに、
さらに気合いを入れようとしているんだろう。
なぜ、
仕事を変えることばかり考えて、
仕事をしている自分自身の状態を見ていないんだろう。
そこから僕は、
毎日の身体との付き合い方や生活そのものを、
少しずつ見直すようになりました。
そして今は、
縁があって僕自身も、
この無料メルマガの運営に関わっています。
だから、
「運営側だから紹介しているんですよね」
と言われれば、
今はそういう立場でもあります。
でも、
順番は逆でした。
運営に関わったから読んだんじゃない。
読んでいた僕が、
後から運営側にも関わるようになった。
僕にとっては、
それくらい長く付き合うことになった場所です。
だからといって、
誰にでも必要だとは思いません。
今の毎日で十分なら、
わざわざ何かを変えなくてもいい。
でも。
仕事を任せても休めない。
休日なのに頭が働いている。
寝ても以前ほど戻らない。
それでも、
「もっと強くならないと」
「もっとちゃんとしないと」
と自分を動かし続けているなら。
一度くらい、
操縦桿から手を離すための見方を知っておいてもいいと思います。
無料なので、
違うと思ったら閉じればいい。
ただ、
「まだ頑張れる」と言い続ける以外の道を探しているなら。
僕なら、
一度は読んでおきます。
昔の僕が知らなかった、
「頑張り方を変えるより先に見る場所」があることを、
僕自身そこで知ったからです。
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