昔の僕は、

「ちゃんとしているもの」が好きでした。

仕事なら、

正しい答え。

正しい手順。

正しい言葉。

正しい振る舞い。

資料を出すなら、

突っ込まれないものを。

会議で話すなら、

的外れじゃないことを。

上司から聞かれたら、

すぐ答えられるように。

会社員として、

別におかしなことではないと思います。

むしろ、

そういう人間の方が評価される場面も多かった。

だから僕は、

どんどん「正しく」なっていきました。

でも同時に、

どんどん疲れるようにもなっていきました。

ある休日。

スーパーで買い物をしていた時のことです。

野菜売り場で、

キュウリを選んでいました。

何本か入った袋を手に取る。

見る。

戻す。

また別の袋を取る。

その時、

妻に言われました。

「何をそんなに選んでるの?」

「いや、なんとなく。」

そう答えながら、

自分の手元を見ました。

僕が選んでいたのは、

まっすぐなキュウリでした。

曲がっているものより、

形の整ったもの。

傷があるものより、

きれいなもの。

別に味が分かるわけでもない。

その日の料理なら、

切ってしまえば同じです。

なのに、

無意識に「きれいな方」を探していた。

その時は、

それ以上何も考えませんでした。

でも後になって、

妙にあの光景を思い出したんです。

僕、

自分にも同じことをしていたな、と。

疲れていても、

ちゃんと会社へ行く。

しんどくても、

ちゃんと返事をする。

余裕がなくても、

ちゃんと笑う。

分からなくても、

なるべく分かっている顔をする。

弱音は、

できるだけ見せない。

会社員としての自分を、

なるべく「まっすぐ」に見せようとしていました。

少し曲がったら、

戻す。

調子が悪ければ、

気合いで戻す。

落ち込めば、

前向きに考えて戻す。

疲れたら、

休んで早く戻す。

とにかく、

いつもの形に戻そうとする。

僕にとって、

「調子が悪い」は、

観察するものではありませんでした。

早く消すものだったんです。

朝、

身体が重い。

「寝不足かな。」

コーヒーを飲む。

昼過ぎ、

頭が回らない。

「集中しろ。」

気合いを入れる。

帰宅すると、

何もしたくない。

「最近たるんでるな。」

自分を責める。

休日、

昼まで動けない。

「せっかくの休みなのに。」

また自分を責める。

そうやって僕は、

身体から出ている小さな違和感を、

全部「修正」していました。

なぜそうなっているのか。

そこは、

ほとんど見ていなかった。

今振り返ると、

これが結構怖いんです。

なぜなら、

無理ができてしまったから。

会社には行ける。

仕事もできる。

商談もできる。

笑える。

だから、

大丈夫だと思ってしまう。

そして、

また翌日もやる。

またその翌日も。

気付けば、

「無理をして動けている状態」が、

僕の普通になっていました。

それでも僕は、

もっと精神的に強くなろうとしていた。

もっと自己管理しようとしていた。

もっと効率よく働こうとしていた。

全部、

自分を「正しい形」に戻すためです。

でもある頃から、

戻りにくくなりました。

寝ても、

以前ほど軽くならない。

休日を挟んでも、

なんとなく残る。

昔なら気にならなかったことに、

妙に消耗する。

それでも、

また思うんです。

もっとしっかりしないと。

僕は長い間、

ここをマインドの問題だと思っていました。

弱くなった。

年齢かな。

やる気が落ちた。

気持ちの持ちようだ。

だから、

頭で身体を動かそうとする。

でも、

あるところから疑うようになりました。

そもそも。

毎朝、

身体から何かを言われているのに、

僕は一度でも、

ちゃんと聞いたことがあっただろうか。

重いなら、

気合い。

眠いなら、

コーヒー。

疲れたら、

週末まで我慢。

ずっと、

黙らせていただけなんじゃないか。

そこから僕は、

「正しい自分に戻す」ことより、

今の自分がどんな状態なのかを見るようになりました。

食事。

睡眠。

仕事中の身体の感覚。

一日をどう終えているか。

休日にどう過ごしているか。

昔の僕なら、

仕事の成果とは関係ないと思っていたようなことです。

もちろん、

何か一つ変えれば全部うまくいく、

という話ではありません。

僕自身も、

そんなふうには変わっていません。

ただ、

それまでのように、

身体から何か出てくるたび、

全部「根性不足」で処理することは減りました。

これは、

かなり大きかった。

あの日スーパーで見た、

少し曲がったキュウリ。

別に、

壊れているわけじゃありません。

形が違うだけです。

なのに僕は、

無意識に避けていた。

自分に対しても、

似たようなことをしていたのかもしれません。

いつも元気。

いつも前向き。

いつも仕事ができる。

いつも正しい。

そんな状態から少しでも外れると、

すぐ修正しようとする。

でも。

今なら、

修正する前に一度見ます。

「なんで今、こうなってるんだろう。」

僕に必要だったのは、

もっと強く自分を矯正することではなく、

まず自分の状態を無視しないことだった。

そんなふうに思っています。

そして今回、

この話から紹介したいのが、

僕が今、運営にも関わっている無料メルマガです。

僕は最初から、

運営側だったわけではありません。

普通に読む側でした。

しかも当時の僕が欲しかったのは、

もっと「正しくなるための答え」だったと思います。

もっと仕事ができる方法。

もっと疲れない方法。

もっと強くなる方法。

でも、

僕がそこで得たものは、

新しい正解を一つ増やすこととは少し違いました。

むしろ、

正解を探す前に、自分の状態を見る。

その視点を持つきっかけになった。

そこから僕は、

仕事だけではなく、

毎日の身体や生活との付き合い方も少しずつ見直していきました。

今こうして、

その運営側にも関わっているのは、

当時の僕みたいな人に、

こういう見方もあると知ってほしいからなのかもしれません。

だから、

無理に読んでほしいとは思いません。

今の状態で困っていないなら、

そのままでいいと思います。

でも。

ちゃんと寝ている。

ちゃんと休んでいる。

仕事もちゃんとやっている。

それなのに、

昔のようには戻らない。

そして、

そんな自分を見るたび、

「もっとしっかりしないと」

と自分を矯正しているなら。

もう一つ正解を増やす前に、

一度だけ違うところを見てみてもいいと思います。

無料です。

読んで違うと思えば、

そこで閉じればいい。

ただ。

これ以上、

自分を「正しい形」に押し込むことに疲れているなら。

僕なら、

一度読んでおきます。

僕自身、

そこから初めて、

自分を無理やり戻す以外の見方を知ったので。
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