昔の僕は、

朝からずっと急いでいました。

別に遅刻しているわけじゃない。

締切に追われているわけでもない。

それでも、

なぜか急いでいる。

電車に乗ればメールを返す。

エレベーターを待ちながらチャットを見る。

昼食を食べながら午後の予定を確認する。

一つ仕事が終われば、

すぐ次の仕事を探す。

そして夕方になる頃には、

もう何も残っていない。

頭が回らない。

人と話すのも面倒になる。

家に帰る頃には、

ただ座っていたい。

それでも当時の僕は、

こう思っていました。

「もっと余裕を持たないとな。」

「メンタルが弱いんだろうな。」

「忙しい時ほど冷静にならないと。」

だから、

また自分に言い聞かせる。

落ち着け。

焦るな。

もっと強くなれ。

今思えば、

疲れ切った身体に、

さらに精神論を上乗せしていたんです。

---

ある日、

出張で少し良いホテルに泊まった時のことです。

ホテルに着いた時点で、

次の予定まであまり時間がありませんでした。

タクシーを降りる。

時計を見る。

まずい。

ちょっと急がないと。

荷物を持って入口へ向かおうとすると、

ドアマンがこちらへ来ました。

「お荷物、お預かりいたします。」

「すみません、ちょっと急いでまして。」

そう伝えました。

すると、

「かしこまりました。」

それだけ。

走らない。

慌てない。

こちらを急かさない。

でも、

仕事は遅くない。

必要なことだけ確認して、

淡々と案内していく。

僕だけが、

その場でバタバタしていました。

なんだろう。

この違い。

少し不思議だったんです。

---

その人だって、

暇なわけじゃない。

僕の後ろにもお客さんがいる。

車も入ってくる。

荷物も次々に届く。

予定外のことだって起きるでしょう。

なのに。

目の前の一つが終わるたび、

ちゃんと元の静かな状態へ戻っているように見えた。

一方の僕は、

一つ終わっても終わらない。

会議が終われば、

次の会議を考える。

メールを返せば、

返事が来る前からその先を考える。

会社を出ても、

仕事のことを考える。

家に帰っても、

明日のことを考える。

布団に入っても、

まだ考えている。

そして翌朝。

回復しきっていない状態から、

またアクセルを踏む。

これを毎日やっていました。

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でも当時は、

それを「責任感」だと思っていたんです。

仕事ができる人間は、

常に先を読むものだ。

会社員なら、

多少の疲れは当たり前。

責任が増えれば、

余裕がなくなるのも仕方ない。

だから、

身体が重くても頑張る。

頭が働かなくても頑張る。

休日に何もしたくなくても、

「怠けるな」と自分を動かす。

そして、

うまく動けない自分を見ると、

また思う。

メンタルが弱い。

もっと強くならないと。

完全に、

見る場所を間違えていました。

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僕が後になって気付いたのは、

焦らないための「考え方」が足りなかったわけじゃない、

ということでした。

むしろ僕は、

考え方で何とかしすぎていた。

疲れている身体に、

「まだいける」。

朝から重い身体に、

「気合いだ」。

休みたい時にも、

「ここで差がつく」。

ずっと頭で、

身体をねじ伏せていたんです。

それで何年も走れてしまった。

だから余計に気付かなかった。

でも、

ずっとは続きませんでした。

あるところから、

気合いを入れても戻らない。

寝てもスッキリしない。

休日を挟んでも、

月曜日の朝にはもう重い。

「前向きに考えよう」

程度では、

どうにもならないところまで来ていた。

そこで初めて、

僕は疑い始めたんです。

これ、

本当にメンタルの問題なのか?

と。

---

そこから、

見る場所が変わっていきました。

仕事術でもない。

根性でもない。

ポジティブ思考でもない。

「自分は今、どんな状態で毎日を生きているんだろう」

という、

もっと手前の部分です。

朝起きた時。

食事をしている時。

仕事中。

仕事が終わった後。

休日。

眠る前。

それまでの僕は、

身体の状態なんてほとんど見ていませんでした。

見ていたのは、

成果だけ。

今日は何件終わった。

何時間勉強した。

英語がどれくらいできた。

評価された。

されなかった。

ずっと外側ばかり。

でも、

その外側を動かしている自分自身の状態は、

ほとんど無視していた。

ここに気付いてから、

僕の中でいろいろなものが変わり始めました。

いきなり別人になったわけじゃありません。

魔法みたいに、

翌朝すべてが変わったわけでもない。

ただ、

「もっと頑張れば何とかなる」

という一択ではなくなった。

これは、

僕にとってかなり大きかった。

---

今でも忙しい日はあります。

急ぐことだってあります。

でも昔のように、

毎日ずっとアクセルを踏みっぱなし、

という感覚ではなくなりました。

仕事のために自分を削って、

休日に倒れ込んで、

月曜日からまた無理やり動かす。

そんな働き方から、

少しずつ離れられた。

昔の僕が欲しかったのは、

「焦らないメンタル」だったのかもしれません。

でも、

実際に必要だったのは、

そこじゃなかった。

もっと手前から、

自分自身を見直すことでした。

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最後に一つだけ。

僕がこの視点を持つきっかけになったものの一つが、

以前から紹介している無料メルマガです。

最初は、

僕もただの読者でした。

「また精神論かな」

くらいに思っていた部分もあります。

でも、

読んでいくうちに、

それまで自分が見ていた場所とは違うところに目が向くようになった。

仕事のやり方だけではなく、

毎日の身体の状態や、

生活そのものを見直すきっかけにもなりました。

そして今は、

縁があって僕自身もその運営に関わっています。

なので、

僕から「絶対読んでください」と言うつもりはありません。

今の働き方で困っていないなら、

そのままでもいいと思います。

人にはそれぞれタイミングがありますから。

ただ。

昔の僕みたいに、

気合いも使った。

根性でも乗り切った。

休み方も工夫した。

それでも、

以前のようには戻らない。

もしそんな感覚が少しでもあるなら。

「自分のメンタルが弱くなった」

と決めつける前に、

一度だけ違う角度から自分を見てみてもいいと思います。

無料なので、

合わなければ閉じればいい。

でも、

「このまま何年も同じ走り方をするのは違う気がする」

と思っているなら、

僕なら読んでおきます。

僕自身、

そこから見る場所が変わった一人なので。

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