「この案件が終われば、少し楽になる。」
そう思っていた。
本気でそう思っていた。
だから頑張れた。
忙しくても。
眠くても。
疲れていても。
この山を越えれば。
そう思いながら走っていた。
そして案件が終わる。
達成感もある。
少しホッとする。
でも。
数日後には次の案件が始まる。
すると今度は、
こう思う。
「この案件が終われば。」
また同じだった。
気付けば何年も繰り返していた。
昇進もそうだった。
係長になれば楽になる。
マネージャーになれば楽になる。
部長になれば楽になる。
そう思っていた。
でも。
何も変わらなかった。
むしろ責任は増えた。
考えることも増えた。
心配事も増えた。
ある日。
会社帰りの電車だった。
窓に映る自分を見る。
少し疲れた顔をしている。
ふと思った。
「いつになったら楽になるんだろう。」
その瞬間、
妙な感覚になった。
だって。
去年も同じことを思っていた気がしたから。
その前の年も。
たぶんその前も。
ずっと。
あと少し。
あと少し。
あと少し。
そう言いながら走っていた。
でも。
その「あと少し」は、
一度も来なかった。
ゴールテープみたいに、
近づくたびに遠ざかる。
そんな感じだった。
今振り返ると、
あの頃の僕は未来を生きていた。
今日じゃない。
今週でもない。
来月でもない。
いつか。
その「いつか」のために、
今を削っていた。
平日も。
休日も。
家族との時間も。
睡眠も。
全部。
未来のために使っていた。
でも。
不思議なことに、
未来は一向に楽にならない。
なぜなら。
未来に行った自分も、
また同じことを言っていたからだ。
「あと少し頑張れば。」
その頃の僕は、
努力が足りないと思っていた。
もっと成果を出せば。
もっと収入が増えれば。
もっと実力がつけば。
楽になると思っていた。
でも違った。
問題はゴールの場所じゃなかった。
走り方だった。
それに気付くまで、
僕はずいぶん遠回りをした。
もしあの日の僕に会えるなら、
こう聞いてみたい。
「最後に『今のままで十分だ』と思えたのはいつ?」
たぶん答えられないと思う。
僕自身、
そんな記憶がなかったから。
PS
昔の僕は、
あと少し頑張れば楽になると本気で信じていました。
でも後になって分かったのは、
その考え方そのものが苦しさを作っていたということでした。
その視点を初めて知ったのが、
僕がたまたま読んだ無料のメルマガでした。
今振り返ると、
あの時に読んでいなかったら、
今も同じ場所を走り続けていたと思います。
もし今、
「あと少し頑張れば」と思いながら何年も走っているなら。
一度読んでみると、
見える景色が変わるかもしれません。
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