「今日の昼、何食べたっけ?」
夕方。
ふとそう思った。
思い出せない。
ラーメンだったか。
定食だったか。
コンビニだったか。
本当に出てこない。
さすがに昼ご飯くらい思い出せるだろう。
そう思って考える。
でも出てこない。
結局、
スマホの決済履歴を見て確認した。
コンビニだった。
少しだけ驚いた。
数時間前のことなのに。
なぜ思い出せないんだろう。
その頃からだったと思う。
小さな違和感が増えていったのは。
会議で話した内容を忘れる。
メールを開いた瞬間、
何を確認しようとしていたか忘れる。
部屋に入った瞬間、
何を取りに来たのか忘れる。
そんなことが少しずつ増えていった。
もちろん、
大きなミスはしない。
仕事もできていた。
周りからも特に何も言われない。
だから気にしなかった。
年齢かな。
疲れてるだけかな。
そんなものだろう。
そう思っていた。
でも。
心のどこかでは気になっていた。
昔は違ったからだ。
会議の内容なんて、
細かいところまで覚えていた。
顧客との会話も。
商談の流れも。
数字も。
わりと記憶には自信があった。
それなのに。
最近は何かがおかしい。
ある日。
妻に頼まれた。
「帰りに牛乳だけお願い。」
簡単なお願いだ。
たった一つ。
でも。
帰宅した僕の手には、
牛乳がなかった。
玄関で気付いた。
完全に忘れていた。
妻は笑っていた。
「疲れてるね。」
責められたわけじゃない。
でも。
その一言が妙に残った。
疲れている。
たしかにそうかもしれない。
でも。
それだけなんだろうか。
今振り返ると、
あの頃の僕は忘れっぽくなったんじゃない。
頭の中がいっぱいだった。
余白がなかった。
常に何かを考えていた。
常に何かを心配していた。
常に何かに追われていた。
だから新しい情報が入らない。
入っても残らない。
そんな状態だった。
でも当時の僕は、
そのことに気付いていなかった。
だからまた自分を責める。
しっかりしろ。
集中しろ。
もっと管理しろ。
もっと頑張れ。
そうやって、
さらに頭を働かせようとしていた。
もしあの頃の僕に会えるなら、
こう聞いてみたい。
「最後に何も考えずにご飯を食べたの、いつだった?」
たぶん答えられないと思う。
僕自身、
思い出せなかったから。
PS
昔の僕は、
忘れっぽくなったのは年齢のせいだと思っていました。
でも後になって、
記憶力の問題ではなかったことを知ります。
そのことに気付くきっかけになったのが、
僕がたまたま読んだ無料のメルマガでした。
もし今、
以前より頭が回らない気がするなら。
それは能力の問題ではないかもしれません。
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