「サトシさんって、いつも元気ですよね。」

 

そう言われるたびに、

少しだけ困った。

 

褒めてくれているのは分かる。

 

悪気がないことも分かる。

 

だから否定もしない。

 

「いやいや。」

 

と笑って終わらせる。

 

でも。

 

心の中では、

いつも同じことを思っていた。

 

そんなことないんだけどな。

 

本当は全然元気じゃない。

 

朝は起きるのがつらい。

 

会社に着く頃には疲れている。

 

会議の日は朝から胃が重い。

 

家に帰るとソファから動けない。

 

休日は回復に使って終わる。

 

でも。

 

外からは分からない。

 

会社では普通に話す。

 

笑う。

 

会議も出る。

 

商談もする。

 

だから周りから見ると、

元気そうに見える。

 

ある日。

 

久しぶりに会った同期と飲んだ。

 

仕事の話になった。

 

彼が言う。

 

「サトシは順調そうでいいよな。」

 

僕は笑った。

 

「そんなことないよ。」

 

すると彼も笑った。

 

「またまた。」

 

その瞬間。

 

少しだけ言葉に詰まった。

 

説明できなかったからだ。

 

順調なのか。

 

元気なのか。

 

充実しているのか。

 

正直、

自分でも分からなかった。

 

たしかに仕事はしている。

 

成果も出ている。

 

収入も増えている。

 

でも。

 

いつも疲れていた。

 

どこか苦しかった。

 

ずっと余裕がなかった。

 

なのに。

 

周りからは順調に見える。

 

だから余計に苦しかった。

 

もし本当に調子が悪いなら、

誰かに相談できたかもしれない。

 

でも。

 

外から見ると問題がない。

 

病気でもない。

 

会社にも行ける。

 

仕事もできる。

 

だから自分でも思っていた。

 

甘えているだけなんじゃないか。

 

弱いだけなんじゃないか。

 

もっと頑張れるんじゃないか。

 

そうやって、

また自分を追い込む。

 

今振り返ると、

あれは一番危ない状態だったと思う。

 

壊れているわけじゃない。

 

でも健康でもない。

 

頑張れる。

 

でも無理している。

 

そんな中途半端な場所。

 

だから誰も気付かない。

 

自分すら気付かない。

 

そして気付いた時には、

かなり遠くまで来てしまっている。

 

もしあの頃の僕に会えるなら、

こう言いたい。

 

「元気そうに見えることと、

元気であることは違うぞ。」

 

たぶん笑うと思う。

 

そしてまた、

大丈夫なフリをすると思う。

 

僕自身がそうだったから。

 

PS

昔の僕は、

不調というのはもっと分かりやすいものだと思っていました。

 

でも実際は、

周りにも自分にも気付かれない形で進んでいくことがあります。

 

そのことを初めて知ったのが、

僕がたまたま読んだ無料のメルマガでした。

 

当時の僕は、

「まだ大丈夫」と思っていました。

 

でも今思うと、

一番危なかったのはその状態だったのかもしれません。

 

もし今、

周りからは順調そうに見られるのに、

どこか苦しい感覚があるなら。

 

一度読んでみると面白いかもしれません。

 

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