その質問は、
突然だった。
会社の後輩と飲んでいた時だ。
仕事の話になった。
英語の話になった。
キャリアの話になった。
そして彼が聞いた。
「サトシさんって、最終的にどうなりたいんですか?」
僕は答えられなかった。
驚くほど。
何も出てこなかった。
出世したいのか。
海外で働きたいのか。
役員になりたいのか。
起業したいのか。
聞かれれば聞かれるほど、
分からなくなった。
「うーん・・・」
とりあえず笑う。
ビールを飲む。
話題を変える。
その場は何とか乗り切った。
でも。
帰りの電車で、
その質問が頭から離れなかった。
僕は何を目指しているんだろう。
何のために頑張っているんだろう。
何のために英語を勉強しているんだろう。
何のために疲れているんだろう。
何も分からなかった。
当時の僕は、
ずっと目の前だけを見ていた。
来週の会議。
今月の数字。
次の評価。
次の昇進。
次の目標。
次。
また次。
また次。
気付けば、
ずっと走っていた。
でも。
どこへ向かっているのかは分からなかった。
ある意味、
それは当然だったのかもしれない。
余裕がなかったから。
毎日をこなすだけで精一杯だったから。
先のことなんて考えられなかった。
考えるエネルギーすら残っていなかった。
だから。
目標を見失ったんじゃない。
最初から見えていなかった。
今振り返ると、
あの頃の僕は未来を考えていなかった。
未来を避けていた。
考えても苦しくなるだけだったから。
どうせまた頑張らなきゃいけない。
どうせまた疲れる。
どうせまた不安になる。
そんな感覚がどこかにあった。
だから今日を乗り切ることだけ考えていた。
でも。
本当に苦しかったのは、
仕事でも英語でもなかった。
未来が見えないことだった。
どれだけ頑張っても。
どれだけ勉強しても。
どれだけ成果を出しても。
自分が幸せになるイメージだけが浮かばなかった。
あれは今思うと、
かなり危険な状態だったと思う。
でも当時の僕は、
それが普通だと思っていた。
社会人なんてそんなものだと。
みんな我慢して生きているんだと。
そう思い込んでいた。
もしあの日の後輩に、
今の僕が会ったら。
もう少し違う答えができる気がする。
でも当時の僕には無理だった。
未来を描く余裕が、
どこにも残っていなかったから。
PS
昔の僕は、
将来のビジョンが描けないのは意志の弱さだと思っていました。
でも後になって、
それ以前の問題があることを知ります。
その考え方を初めて知ったのは、
僕がたまたま登録した無料のメルマガでした。
今振り返ると、
あの時読んでいなければ、
ずっと同じ場所を走り続けていたと思います。
もし今、
頑張っているのに未来が見えないなら。
何かヒントになるかもしれません。
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