塾講師1年目の皆さん、こんばんは。
いつもありがとうございます。

塾屋が恐れているもの。

定期試験結果の下降。
模擬試験の偏差値の低下。
悪評やその原因たる素行の悪い生徒。
受験生の志望校不合格。
退塾・退会の申し出。

「今月いっぱいでやめたいと思っています」

このひと言の衝撃たるや、
突如別れを切り出された彼氏・彼女の気持ちか、
あと1個で完成するはずだったドミノを不注意で倒したか、
酸味のあるエクレアだと思ったら賞味期限切れて2週間か…。

生徒が減るということは、売上が下がるということです。
売上が落ちると、利益減につながり、場合によっては講師を減らすことにも。
教室全体の士気も、雰囲気も、評判も、何もかもが下降していきます。

え、また生徒を募集して増やせばいいじゃん?
生徒が減っている塾にあえて入ろうとする人がどれほどいますかね。
むしろ、お友達が塾をやめたと知ったら、その生徒も辞めることを考えるかもしれません。
退塾・退会は、転居や病気、経済的理由などやむを得ない理由の場合を除き、
極力最小限に抑えておきたいのです。

塾をやめたいとの申し出があった際、
当然ですが引き留めるために理由を聞くのですが、

本人のやる気がないので一旦やめさせて様子をみたい。
子どもは続けたいというが、その割に勉強している様子が見られないから。
長年通ってきて塾に慣れてしまい緊張感がなくなったから。
何度注意してもゲームやスマホばかりで勉強しないから。
成績があまり伸びておらず、効果が感じられないから。

…などなど。

まあ、塾ですから成績が伸びていないから、と直球で言われてしまうとなかなか難しいのですが、
それ以外は“それ、塾のせいですか?”とも言いたくなる理由。

やる気のない子が塾をやめて何か改善するのでしょうか。
様子をみるまでもなく、遅かれ早かれ違う塾に入れざるを得ないのは目に見えます。

子どもが続けたいのに、それを親の意向でやめさせる。
おそらくこれまでも何かにつけて親が決めてきたのでしょう。
そりゃ子どもが親の言うことを聞かなくなるわけです。

長年通ってきて刺激がなくなったと?そんなことを言う人に限って、
入塾当初は「まだ緊張していてわからないところを質問もできない」と言っていたりする。

ゲームやスマホを理由に塾をやめる…なんと愚かな選択。
ゲームとスマホを買い与えたのはどこの誰ですか?
こうなることを予想していなかったとは言わせません。
やめるのであればスマホの契約が先でしょう。

それってアナタの感想ですよね?と言いたくもなりますが、

そこはお客様相手の商売ですからなかなかストレートには言えません。
言えませんが、何とかして説得して退塾・退会を思い止まらせるのが室長や塾長の仕事なんです。

 

中には成績は上がっているのに、そんなことは関係なしに退塾・退会をする方も。
入塾・入会する際の理由は、
「成績を上げたい」
「志望校に合格したい」
「学習習慣を身につけたい」
などシンプルなものが多い一方で、
退塾・退会の理由は本当によく練られた複雑なものがいろいろ出てくるのです。

お客様の言うことですからある程度は仕方ないとは思いますが
こちらも本気で生徒のために手を変え品を変え時間と労力を注ぎ込み努力をしてきています。
こっちの気も知らないで…とつい思ってしまいますが、

退塾・退会の最大の原因は、じつはその
「こっちの気」をきちんとお客様に伝えていないこと、です。
つまりコミュニケーション不足です。

生徒を取り巻く環境や状況をお客様と正直に共有し、
塾として何をどう変えていこうとアプローチしていくのか等々を
できるだけ頻繁に、丁寧に、安心して頂けるレベルでお伝えできてれば
「そろそろ塾をやめよう」とはなかなかならないのです。

ということは、
塾講師1年目である皆さんがやるべきことは…もうわかりますよね。
どうかよろしくお願いします。

お客様が塾を辞めていく理由もいたってシンプルなんです。