塾講師1年目の皆さま、お疲れ様です。
いつもありがとうございます。

首都圏の中学入試が本格的に始まりました。
埼玉県の私立中学の入試の出願倍率(1/10)はざっと
栄東(A日程)50.1倍、
大宮開成(第1回)26.4倍、
開智未来(開智併願型)61.5倍、
浦和明の星女子(第1回)17.0倍。

うぎゃあ。

出願倍率というのは、定員に対しての出願数ですから
当日欠席等で受験倍率は少し下がるとは思いますが
コロナ禍にあってなかなかの数字ですね。

SピックスやN能研のホームページ等で詳細を確認できます。
ぜひチェックしましょう。

さて、塾講師1年目の先生。
今年の入試問題はもう解きましたか?

まさか受験生が解いてきた問題を、
担当している塾の先生が解いてない…なんてこと
ありませんよね?

受験当日、子どもたちは朝早くから起きて
極寒の中、寒さと緊張にブルブルと震えながら
親と一緒に電車やバスに揺られ
想像を超える受験生の数に恐れおののきながら
ようやく試験会場にたどり着きます。

これまで何度も受けてきた模試のときとは
明らかに違うピリピリとした空気。

他の塾に通うライバルたちのカバンや
そこにぶら下がっているお守りや

塾のバッジやシール。
使い込まれた感のある、見たことのない問題集を
黙って読んでいる他の受験生の顔は

とても優秀そうに見え、
一気に緊張感は高まり、試験開始前から

頭は真っ白に…。

ま、そういう話はまた別の機会にするとして…。

試験終了後、使用した問題冊子を
持ち帰ることのできる学校と、
回収されてしまう学校とがあります。
(大人の事情があるにせよ、子どもが必死に解いた
試験問題を回収する意味が私には理解できませんが)

おそらく多くの塾では、
入試の後、そのまま帰宅するのではなく
塾に立ち寄るよう指導していると思います。

へとへとだから帰ってテレビ見たい…という受験生や
今日はゆっくり休ませます…という保護者もいます。
確実に合格または不合格になるであろう子には
塾講師も

「そうですね、お疲れ様でした♪」と言いますが、
本音は少し違うはずです。

少しでも合格の可能性を広げたいと考える保護者や、
翌日以降の受験に活かしたいと考える賢明な受験生は
こちらが言わずとも、
「受けてきました!先生!」と

元気に塾に帰ってきてくれます。

人生初の中学入試を頑張った子どもたちと、
朝早くから同行した保護者を心から労いながら、
入試問題の分析と自己採点&解き直しをします。

これが、翌日以降の入試に抜群に効くのです。

学校によっては、
試験終了後、受付で

当日の試験問題を配布してくれるところもあります。

(模範解答もあったり…)
しかし、ほとんどの場合、

受験生たちが持ち帰る問題を手に入れて

コピーさせてもらい、そこから問題分析が
始まります。

大手塾は各教科のエキスパートが各所にいるため
国語、算数、理科、社会、それぞれを複数の講師が
解き、解答速報を作成していきます。
社内SNSや社内クラウド上で意見交換を重ね、
約1〜2時間後には模範解答が出来上がります。

そしてすぐに社内で共有されます。


個人塾では、塾長先生が一人で、あるいは
数名の講師で手分けして解くはずです。
これが結構楽しいのですが、大変で…。
文系の先生でも算数や理科も解きます。
理系の先生は…算数と理科しかやらないことが
多いですが…。

模範解答ができたら、
自習をしながら待っていた受験生と一緒に
答案再現をしながら自己採点&解説をし、
おおよその得点結果を予測します。

例年の合格者平均点なども参考にしながら、
合格発表前に、ある程度の合否結果予想をします。
場合によっては、
翌日の受験校を変えなければならないことも
あるためです。

あるいは、翌日も同じ中学の2回目試験を受験する場合
似たような単元から似たような問題が出る可能性があるので
テキストから類似問題を引っ張り出し、
プリントを用意し、復習や補習を行います。

昨今、中学受験の合格発表は

インターネット発表が主流になっています。
もちろん学校に掲示もされ、合格通知は取りにいかなければなりません。

受験者数の規模や学校の採点能力にもよりますが、
入試当日の夜に発表となる学校もあれば、翌日には判るところも。
数日後までに郵送で結果が届くというのもあったりします。
いずれにしても、結果が出るのはかなり早いです。

ただ、その前にある程度の合否予想を立てておきたい。
そして、何よりも受験生のメンタル面をきっちりとフォローするために
入試問題を分析して、そこから次へ向けた的確なアドバイスを行うことが
塾講師である皆さんに課された任務です。

また、
入試問題をすぐに解いておくと、
時事問題でよく扱われているテーマが見えたり、
算数や理科の出題傾向など、その年のトレンドが見えてきます。

過去問と大きく出題傾向を変えてくる学校があったり、
例年にない新傾向問題を入れてきたり、

記述問題の文字数が変わっていたり、様々な変化が。
塾講師としてはワクワクの連続です。
 

次年度の受験生たちの授業で早速ネタにしたり、
新年度開講説明会や保護者会のネタにしたり…。

というわけで、
勢いに任せてたくさん書いてしまいましたが、
受験生担当ならば当然、
受験生を担当していなくても、塾講師である以上は
その年の入試問題はできるだけ早めに解くこと。
これを結構強めにおススメします。

入試はまだまだこれからです。
頑張りましょう。