■シリーズ
人見城の秘密の宝箱
■キャプション
仕事をサボって人見城内のどこかにある秘密の宝箱を探し回る神楽のお話。
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■まえがき
いつも読んでいただき、ありがとうございます。
※ 奈落家のいつもの設定確認
・設定は戦国時代なのになぜか現代の要素が入る。
(今回は、現代的なのは最初の高熱に関してだけですかね。
あとは戦国時代的城内でのお話。)
・奈落家の服装は、原作通り。
・奈落さんと分身たち皆、生存していて
人見城に一緒に住んでいる設定です。
ストーリーのジャンル:ファンタジー
では、このまま下へスクロールして本編どうぞ!
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高熱を出して寝込んだ夢幻の白夜。
町民に配っているコロナの抗原検査キットが大量にあったため、
使ってみたが陰性。
奈落のつてで睡骨総合クリニックに連れて行くも
インフルエンザA・B共に陰性。
ただの風邪のようだ。
神楽「早く良くなっとくれよ。
お前がいないと奈落の小言を
あたしが聞かされるハメになるんだから」
そう言って白夜のおでこのタオルを冷たく取り換える神楽。
犬夜叉本編では神楽亡き後はその役割を白夜が務めていたが
今回はその逆になりそうだ。死にはしないが。
白夜「ありがとよ。姉さん。
…そうだ!これ!」
白夜が起き上がり、
自室の部屋の引き出しから一つの古びた金色の鍵を取り出して
神楽に渡す。
神楽「なんだよ、それ?」
白夜「掃除してたら見つけたんだ。
この城のどこかにその鍵で開く宝箱があるんじゃないか?w」
神楽「なんであたしに?w」
白夜「いい暇つぶしになるだろ?w」
熱で赤くなった顔で八重歯をにぃっと見せてさわやかに笑う白夜。
神楽「ありがてえけど、あたしはお前の代わりに
やらなきゃいけない仕事もあるんだよ」
白夜「別にそんな仕事ほっぽらかしてまでやるこたないさ。
ゆっくり探せよ」
白夜が神楽の冷やしてくれたタオルをおでこによく当て再び布団に横になる。
神楽「ったく。いい暇つぶしくらいにはなりそうかい…?」
ひとまず、その場は済んだ。
*
仕事をほっぽらかしてまでやることはないと言われたが、
さっそく見つからないように仕事をサボって
宝箱探しを始める神楽。
とりあえず神無に相談してみる。
神無「知らない…。わからない…」
神楽「だよなぁ」
悟心鬼のもとに来てみるも
彼は読心は得意だが、
神楽本人が知らない事に対して
役には立てなかった。
神楽の心中(「獣郎丸と影郎丸は当てにならなそうだしなぁ…。
かと言って奈落の野郎や白童子のガキに言ったら
小言言われた上に鍵を取り上げられそうだし…」)
人見城庭園を時折飛んでいる
奈落の手先の最猛勝にサボっているのが
バレないようにしながら城内を歩き回る神楽。
魍魎丸「どうした神楽? 奈落を裏切りわしにつく気になったか?」
神楽「魍魎丸!」
珍しい人物に急に話しかけられて驚く神楽。
しかし、返答に困った。
魍魎丸の中には赤子がいる。
事を話せばつながっている白童子に筒抜けだ。
奈落にもいずれ伝わる。
魍魎丸「大丈夫だぞ、神楽。今、中の赤子は昼寝中だ」
神楽の心を感覚的に読んで言う鋭い魍魎丸。
それを信じ、神楽は魍魎丸に鍵の話をしてみた。
すると魍魎丸は人見城内のはずれに一つ、
開かずの倉庫があることを教えてくれた。
そんなのあったか…?と思いつつ
最猛勝を警戒してすぐに向かう神楽。
途中、妖怪とはまた違う不思議な小さい生き物が
次々に自然発生して神楽に襲いかかってくる。
神楽は扇子を取り出し開き、
風刃の舞を放って謎の生き物たちを斬り裂いて進んで行く。
斬り裂かれた生き物は、
血液を出さず死体を残さずフッと消えて行く。
神楽「幻影? なんでだ? これ以上先に進むなってことか?
でもここまで来たらそうはいかないぜ!」
魍魎丸に教えてもらった人見城内はずれの開かずの倉庫に
たどり着いた神楽。
倉庫の鍵は二重になっているが、
かなり古くさびついているため、
小さく風刃を放って壊すことができた。
扉を開ける。
そしてすぐ奥に鍵と同じデザインの古い宝箱があるのがわかった。
倉庫内に入り、白夜にもらった鍵を差し込み開ける。
すると、開けた宝箱の中から
たくさんの黒いもやと小さな光が飛び出す。
驚いて一歩下がる神楽。
その宝箱にはあらゆる悪・不幸・厄災が封じ込めてあった。
宝箱を開けると、それらの闇は天空へと飛び散って行った。
それらが飛び散った後、箱の底には一筋の光があったが、
それもまたどこかへと素早い動きで飛んで行ったのだった。
夢幻の白夜を操って神楽に鍵を渡し、
宝箱もとい封印の箱を開けさせたのは
そこに封じられた"災い"の内の一つの仕業だった。
途中で出て来た幻影の生き物は、
神楽の行く手を阻むものではなく、
邪魔をしていると見せかけ、早く封印の箱を開けさせようと
高熱で白夜を衰弱させた上でその幻術の能力を操り、
けしかけられたものだった。
人見領内の上空には"災い"が満ちていたが、
神楽はその事の重大さの意味をまだわかっていなかった。
つづく
■あとがき
お疲れ様でした。
パンドラの箱モチーフのお話でした。
シリーズなのでまだしばらく続く予定です。
だんだん書いていきます。
奈落家全員出そうかと思ったんですが、
全員は出せませんでした。蔭刀さんとか無双とか。
でも魍魎丸を出せたので良かったです。
魍魎丸はガタイ良いのに男にしては髪長めで
でも男らしいイケボと顔で(唇も良い)
それがまた独特な感じでカッコ可愛くて素敵ですよね!
【余談】
シリーズのストーリーの続く話は
終わる時に「つづく」って書きたいのですが、
なんとなくいつもの調子で「おわり」って書いている気がしますw
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
シリーズとしては続きますが、このお話はほんとに終わりです。