冬の海に行く奈落家姉妹 | 同人的日常

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奈落家のある暮らし

■キャプション
無と風と海。

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■まえがき

いつも読んでいただき、ありがとうございます。

※ 奈落家のいつもの設定確認

・いつもは、設定は戦国時代なのに

なぜか現代の要素が入りますが、
今回は特に入ってません。

・奈落家の服装は、原作通り。

・奈落さんと分身たち皆、生存していて
人見城に一緒に住んでいる設定です。

ストーリーのジャンル:哀愁が漂う感じ

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神楽「神無、こんなところに何があるって言うんだよ…」

神無「…海」

神楽「んなのはわかってるよ!
このクソさみぃのにこんなとこに来てどうするのさ」

神無「………」

極寒の中、神楽の巨大化させた羽飾りに乗って
神楽と神無は人見城から
かなり離れた海の入り江へとやって来ていた。

天候は曇天。
真冬なため晴れたとしてもそこまで明るくはならない。
入り江から見える砂浜は生き物の気配が無く殺風景で
海は荒れ気味で暗い色を湛え
ザパンザパンと波が激しくうごめいている。

海を脇に、神無を先頭に砂浜を行く人見家姉妹。

ふと、激しい海風が神楽を髪をなで、
神楽の結んだ髪が解け、
父である奈落に近い黒い癖毛の長髪が露になる。
「ったく」とすぐに髪を結い直す神楽。
神無の髪も乱れている。
それでもさらに砂浜を進んで行く神無。
やれやれと後から少し離れて付いて行く神楽。

海風には動じずその風を一身に受けて
歩いた後、適当な地点で海の方を眺める神無。
神無「…来てみたかった。冬の海」

神楽「さみぃだけじゃん」

神無「…文学的」
極寒だが、冬の海は思考が冴えて癒やされる。

神楽「そうか?
てか、寒いし、早く帰らねえと
いくら奈落に信用されてるお前でも
制裁受けるぜ?」
早く帰りたい神楽w

神楽がぶつくさ言う中、
神無は人知れず、奈落から分身たち皆が自由になって
またここに来れるようにと祈った。

神無「…私は無。いつかその苦しみもすべて無に帰す」
海を見ながら小さくつぶやく神無。

神楽「んっ? なんか言ったか?」

神無「…なんでも無い。行こう」

神楽「あいよー」
待ってましたとばかりに
羽飾りを手に取り巨大化させる神楽。

そして神楽を先頭に羽飾りに乗り、
姉妹は海風を背に人見城へと飛んで行く。

おわり


■あとがき

冬の海の様子とかは想像で書きました。
いつか、本当に行ったら
様子は少し修正を加えたいと思いますw

【このお話で書きたかったこと】

今回の劇中の
神無の「…私は無。いつかその苦しみもすべて無に帰す」のセリフは、犬夜叉本編の神楽の「あたしは風だ。いつか自由になってやる」と対になる形で書きました。これを入れたかったのです。

そして、なんだかんだ神無の言うことを聞いて
付き合ってくれる優しい神楽。

あと、夏以外の海は、眺めるには文学的で
その海風を一身に受けると解放感があって
自由になる決意を再びするには良い情景なのかなと思って
今回のテーマに選びました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ほんとに終わりです。