■キャプション
神無ちゃんがどんな表情をしているのか、
想像しながら読むとほっこりして面白いかもです。
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■まえがき
※ 奈落家のいつもの設定確認
・設定は戦国時代なのに、なぜか現代の要素が入る。
(今回は、カインズで買って来たメダカの話です。水槽に入っています。)
・奈落家の服装は、原作通り。
・奈落さんと分身たち皆、生存していて
人見城に一緒に住んでいる設定です。
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奈落がカインズでメダカを買って来た。
神楽にその辺の川から水草を取って来させ、
それと一緒にメダカを小さな長方形の水槽に入れて
リビングに置いた。
最初は人見家の皆、珍しがって
見に来て世話もしていたが、
今や世話をして見るのは
奈落と神無くらいだ。
神楽と白童子は初めから世話する気ナシ。
白夜は仕事の負担が増えるのを嫌がり、
上手く距離を取ってフェードアウトした。
悟心鬼等はそもそも興味ナシ。
日々、水槽の前で無言でジーッとメダカを眺めている神無。
川をそのまま切り取ったような永遠の箱と言った感じで美しく、
ずっと眺めていられる。
メダカはそれぞれに体格が違い、
痩せている細い線のメダカ、
卵を持っているのかとてもふっくらしているメダカもいる。
当然と言えば当然だが、
左右に横に泳いでいるだけではなく、
上下にも移動する。
メダカ同士、水槽の中で集まったり離れたりもする。
そよそよ泳いだり、キビキビ泳ぐものもいる。
まるで人間や妖怪の世界の縮図のようだ。
「…♪」
神無は水槽のメダカたちをジッと見て
ただただあるがままの一時的な"永遠"を味わい和む。
金魚でないところが良い。
それだとひらひらと美しく尾を揺らしながら泳ぐ金魚に
心を魅了されてしまう。
心を確固として自分の内に持った上で、
目の前の物を目の前の物としてただただ味わう。
それこそ無心の見方ではないだろうか。
メダカの水槽ではそれができる。
「おい、神無。
あたしら奈落のお供で出て来るから
留守番、頼むぜ?」
コクリとうなずく神無。
神楽らが奈落と共に出て行く。
人見城には神無一人。
正確には"城の警護の連中"がいるが、
命がある訳ではないため、実質一人だ。
まだメダカの水槽を眺める神無。
「…♪」
ただただメダカの泳ぐ様子を眺め、
一人で無心になる時間。
なんて贅沢なのだろう。
心が洗われるようだ。
そして16時が過ぎた。
夏時間のため、まだ日は沈んでいない。
奈落たちがまだ帰って来ないため、
神無はメダカの水槽の前を離れ、
城の庭に干してある洗濯物を取り込み始め、
日常へと戻って行った。
おわり
■あとがき
神無ちゃんのどんな表情を思い浮かべて読まれましたか?
僕は少しニコッとしつつも
可愛くデフォルメされた感じの無表情を思い浮かべて
書きました。
無心を楽しみつつも悟りの境地に入っているような感じなので。
でも、どういう風に想像されるかは、
色々解釈があると思うので読者様の自由です。
また、瞑想みたいな感じで、無心でリラックスしつつも
日々の日常に戻って仕事は仕事できちんとする
日常生活の中での無心の在り方を描いたつもりです。
読んでいただき、ありがとうございました。
ほんとにおわりです。