【奈落家】神無の祈り | 同人的日常

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奈落家のある暮らし

■シリーズ
【奈落家】神無の無心

■キャプション
皆のために祈る奈落家姉妹。無心の美しさ。※7月更新の予定でしたが、pixivの使用したい期間限定アイコンの都合上、6月にUPしています。

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■まえがき

※ 奈落家のいつもの設定確認

・設定は戦国時代なのになぜか現代の要素が入る。
(今回は、祈りを捧げるための
礼拝堂がかなりスピーディーな速さで
設置された点ですかね。あまり言及されてませんが。)
※ 礼拝堂の設置の詳しい点については、
前後しますが次回更新の話になります。

・奈落家の服装は、原作通り。

・(今まであまり明記していませんでしたが、)
奈落さんと分身たち皆、生存していて
人見城に一緒に住んでいる設定です。

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人見城。先日、城を訪れた宣教師の働きによって
(勝手に)新しく増築され、神の像が設置された礼拝堂。

その礼拝堂の奥で神無が神の像の前にひざまずき、
目を閉じ、手を組んでいる。

そこに神楽がやって来た。

「神無、こんなとこで何してんだよ?」

「祈ってる…」
目を開き、手を崩して
神楽の方を向いて答える神無。

「なんでだよ?」

「皆のために…」

「???」

「奈落の支配下、
自由は無い。できることは限られている…。」

「祈って何になんだよ?」

「何にもならない…。無…。でもただ祈るだけ…」

「べつに意味ねーだろ」

「けれど、どうか皆に祝福があるようにと…」
再び手を組み、目を閉じ祈り始める神無。

「祝福ねえ」

奈落に命を握られている中、
事態は絶望の域を出ない。
道具としてこき使われ消耗させられ
滅び行くだけ。

そこで祈りを捧げて何になるのかと
神楽はその行為を訝かしんでいたが、
そんなふうに健気に分身たちの未来を願う神無の想いを
無下にしたくないと思った。

できることなら、その願いが天に通じればとも。

そして神楽も神無と共に皆のために手を合わせた。

おわり


■あとがき
現代って、祈りあんまり意味無い気がしません?
昔の人とか食べ物が無かったり、
当時は治療できない病気があったりして
どうしようもない苦しいことがあって
その時に仏とか神とかに祈ってたと思うんですが、
今だと祈るよりもネットで解決法見つけるとか
解決法見つからなくても
代わりの娯楽見つけるとか金稼ぐ方法探すとか
もっと現実的な対処の仕方がいろいろありますよね。

奈落の分身って、自由にはなれないと思うんですよ。
漫画でもそうだし、同人でも難しい。
神楽姐さんや神無ちゃんは心臓握られてるし、
夢幻の白夜は「奈落が死ねば、同時に滅ぶ分身の身」だし。
いや、漫画には出てこない同人の世界の話で

魔法とか特殊な呪術みたいなのを
使えば自由になれるかもしれませんよ?

(そういう話も後に書くかもw)
でもその自由になれない中で、

それをいったん忘れて楽しく戯れたり、
時にシリアスになったりするのが

奈落家の面白さかなと思うんです。

で、今回の祈りの話。
絶対、自由になれない。解決法は無い。
祈ってもその祈り・願いは絶対叶わない。無。
でもそれでもそれがわかりきっていたとしても
ただただ皆が幸福であることを願って仲間(姉妹)と共に祈る。
その純心さ=無心さ=無欲さが客観的に読者側から見ると
真理的で美しい姿なんじゃないかなぁ、
良い感じに映るんじゃないかなぁと思って書きました。
あと、分身たちは実質、救われないんだけど、
その無心の祈りのその祈ること自体によって
救われている部分ありますよね。
救われてないんだけど、救われている。
奈落の分身たちがそういうふうに
現実的に美しく救われるシーンを描きたくて
今回は書きました。

無心の美しさの話でした。

ほんとにおわり