100%有機のコナコーヒー自体が珍しく、その農園を日本人夫妻が経営していらっしゃる。これは、是非伺ってお話を聞きたいと、最初に訪問したのが、先週の2023年10月27日金曜日。明るく聡明で美しい元キャビンアテンドの奥様に対応していただき、ツアー時間でないのにも関わらず、いろいろと教えて下さいました。


 こちらは、栽培から焙煎まで、辣腕をふるうご主人樣。このご主人もご覧のとおりのイケメン男子であられますが、なにしろ、このご夫婦のお人柄が素晴らしい。そして何より、農園に脚を踏み入れて、最初に広がる雄大な景色に、言葉を忘れて魅了させられました。海の碧、空の蒼、そしてコーヒーの樹々のたおやかなる緑り。それらが眼下に広がっています。


 これはプライスレス。こちらのデッキで振る舞われる100有機栽培によりつくられたコナコーヒー。コーヒーもワインも同じ、テロワールがもっとも大切な要素の一つでしょう。10年.無農薬栽培を続けているそうです。ガイドの最後に自ら写真を撮って下さいました。


 カカオの木も栽培されていて、有機のチョコレートも創っていらっしゃる。初日はとある御仁が有機チョコレートをあるだけ買い占められたとのことで在庫がなく、その有機のチョコレートをいただきに、翌週の11月1日水曜日、この日の再訪となりました。


 日本人のお客様夫妻が、続々と訪れていらっしゃいます。所作を拝見すると、コナコーヒー栽培へのパッションが、ビンビンと伝わって詣ります。もちろんコナコーヒーの滋味豊かなテイストと、お二人のお人柄に、皆様魅了されている様が見て取れます。


 伺ったお話しの中で幾つか、大変興味深いお話しがありました。コーヒーの花が咲いてから7か月後に収穫を迎えるとのことですが、ここ1.2年、咲く時間がとても早くなってしまった、とのことでした。それがあまりに極端であると、無論のこと成育に大きな影響を与えます。更には虫やカビとの闘い。有機栽培と一口に言いますが、大変な労苦でありましょう。そしてその果の、珠玉の一杯。滋味豊かな訳でありますね。


 コーヒーのテイストは、創り手のアナロジー。創り手と作品は、表裏一体であります。本当によく、作品にお人柄が出ている。日本人特有のこだわりも、昇華を育んでいる感じがしました。


 お客様に説明している姿、少し離れて拝見しておりましたが、ご主人の所作もまた、美しい。コーヒーによく、出ております。


 なぜ小農園なのか、伺いませんでしたが、コーヒーの樹々は2500本あるそうです。


 それを、このようにカゴを前に背負って、収穫していく。こちらのグァバの枝が大変にシッカリしていて、赤く熟した実をカゴに入れていく訳ですが、夢中で収穫していると一杯になって大変重くなり、腰にくると奥様は笑顔で仰っていました。


 初日はプライベートリザーブ、二日目はエクストラファンシー。


 甲乙付けがたいテイストですが、豆が大きく雑味がなくまろやかなエクストラファンシーが頂点のようです。


 完熟の真っ赤な実をもいで、ブニュっと実を取ると、二つ出てまいります。それを口に放り込むと、仄かに甘い。


 一本の樹にも完熟実たちの一群とまだ緑の一群が混在していて、更に斜面の下の樹の成育が早いので、下から上に収穫していき、上まで行ったらまた、下に下りる。その繰り返しだそうです。大変な作業ですよね。


 収穫期を迎えた、コーヒーの実たち。


 そしてこちらはチョコレートの原料、カカオの実。こちらは紫がオレンジになると完熟。


 こちらの実を口に含むと、とっても甘い。
 皮も硬く、ナイフをグイッと入れ、パカッと割って、実をもいで、食べさせていただきました


 といってもコーヒーもカカオも、種の周りの養分を舐めるだけで、実そのものは硬かったり苦かったりするので、食べられないとのことでした。


 その養分が豆を、熟す訳ですね。


 こちらで豆を天日干し。そして焙煎へと、全て自前で完結させている、希少な農園です。


 その他、グァバ、オレンジ、マンゴーなどの樹々も植わっております。


 寒暖の差があり、必ずサッと雨が降り、晴れ間も出る。そんなコナコーヒーベルトの気候が、良質なコーヒー栽培にはうってつけだとのこと。更に有機栽培とくればこの上ない。 


 そして、お値段もとても、良心的。


 ハワイ島にいらしたら、是非脚を伸ばすこと、推しの農園でありました。そして伺うのであれば、ご夫婦揃った時が狙い目。
 清々しい時が良き思い出になること、請け合いてす。
 次のハワイ島訪問の時、また、伺わせていただきますね。素敵な時間を、ありがとうございました。