夏はスパイス!ということで、昨夜はチキン茸マサラを。塩分とカイエンペッパーをしっかり効かせることも、肝要ですな。
 さて、記事からの引用。大谷翔平の、エンゼルスでの元同僚アレックス・カッブの言葉が揮っている。

 

「生活のすべてを『野球』と『勝つこと』に捧げ、それを最優先しているという点において、ショウヘイの右に出る者はいない。日々の1分、1秒を最高の選手になることに捧げている」

 

 我が意を得たりと、沢木耕太郎の名著「一瞬の夏」における珠玉のことばを思い出す。

「超越的なものにたいする飢餓感」

 

 超一流選手になりうるポテンシャルを秘めた一流のアスリートが、超になれるか、なれないか、その分水嶺を分かつエレメントを正に、端的に、表していることばだ。どんなに才覚があっても、稼いだ札束で財布を膨らませ夜な夜な街に繰り出しては朝まで酒池肉林、酒の匂いをプンプンさせながら球場入りでは、歴史にその名を刻する可能性は、自らの手で閉じる。将来を担う子どもたちが本当に見たい姿は、WBC決勝のラストシーンであって、スーパーカーを乗りこなす選手ではないのだから。

 この超越的なものに対する飢餓感を、その才気がかった肉体の上に宿した超スーパーエリートが、大谷翔平であり井上尚弥であろう。彼らこそ、人の評価や世間の評価、有り余る称賛を得ても満足せず、前人未到かつ還元不能な領域を目指す。曰く、

「まだ、伸びしろがある」

一流次元では、功名心や他者からの称賛は糧になる。しかしその次元を突破するには次の次元へのマインドが、必ずや必要になる。この二人に共通するマインドこそ、このことばが端的に表している。そしてこのことばこそ”超”の証、他者の自己への評価が介在しないことを表す、究極の次元を表すことばだ。

 二人の足跡は、実は順風満帆ではない。井上尚弥は2階級制覇を達成した2014年12月の試合において拳を骨折・脱臼、手術・リハビリを経てリングに戻ったのは、翌年2015年の12月。大谷翔平も、2018年6月右肘靭帯損傷、10月トミー・ジョン手術を慣行、翌年は2試合に登板、再負傷となり本格復帰は、2021年4月まで2年弱のブランクを経た。大谷翔平の場合は打撃で結果を残していたためそれほどスポットライトを浴びることはないが、二刀流として結果を残すために、どのような生活と心がけが必須か、文字のとおり体感したのであろう。そしてその後の結果こそが、雄弁に物語っている、彼らが“超越的なもの”になるには、何が不要で何が必要かを実感し、体現したことを。さらにはその挫折が、「超越的なものに対する飢餓感」と「生活のすべてを自己開花に向けること」が弁証法的な展開を見せるには、十二分に活きたことは、言うまでもあるまい。根っからの超一流ではないのだ。一流が努力で、超一流に昇華し得た訳だ。その昇華し得たエレメントがこの、「超越的なものに対する飢餓感」であり、これなくしては到達できない領域であったのであろう。

 それにしても、結果が揮っている。そしてこの二人に共通して怖いのは、「オーバーワーク」だけだ。

 金字塔は目前に控える。

 井上尚弥選手は、7月25日有明アリーナで、WBC.WBO世界スーパーバンタム級統一チャンピオンのスティーブン・フルトンと相まみえる。大谷翔平選手には、日本人初2回目のMLBにおける、MVP受賞の可能性が剣が峰の後半戦。

 

 一ファンとして、歴史にその名を刻する日を、楽しみに待ちたい。

 

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