前回ブログにて、外資系総合コンサルティング企業・日系人材輩出企業・日系製造業それぞれの全く異なる文化と、その文化を背景として求められる目的意識について話しました。また、目的意識の種類は3社3様であっても、各社において「ある程度成功」するためには目的意識が重要である旨をお伝えしました。ここで改めて強調したいのは、「目的意識が重要」どころか、「目的意識が最々・・重要」という点です。企業や組織のほとんどは固有の文化を有していて、全ての行動様式はその文化が下敷きになっています。企業/組織のマネジメントとしては、当然この文化を行動様式に落とすための「目的意識」を各社員に根付かせる事が最大のミッションになります。マネジメントの最大ミッションを果たせなかった相手(社員)がどうなるかは言わずもがなですね。
さて、本題に入ります。目的意識を根付かせる事の難しさと、教育法です。我が家の実体験をベースに年齢別にご紹介したいと思います。
【幼稚園年長〜小学3年生】
専門能力が比較的高そうな分野を見つける期間です。専門能力の詳細はファクター②として説明したいと思いますが、ここでは得意領域と同意と思って頂けたらと思います。
この得意領域探しは多くの親御さんがされている事だとは思いますが、「フラット」且つ「詳細」にやられている方はそんなに多くないと思っています。よく見られる例を挙げてみます。
1.自分の得意領域は子供も得意領域だと思いこみ、フラットに見て適性がない場合でもやらせ続ける。
2.兄弟がいると、切磋琢磨できる、同じテーマで盛り上がれる、送り迎えが楽・・等の理由で皆に一律の事をやらせる。中にはフラットに見て適性がない子がいてもやらせ続ける。(一度このスタンスを取ってしまうと、適性がないと分かっても「落ちこぼれ」感が出てしまうから1人だけ辞めさせるわけにはいかなくなる)
3.習い事は沢山させるが、子供が取り組んでいる姿を見ない。または、見ても「楽しそう」「つまらなそう」という感情面だけを見て、何が出来ていて何が出来ていないかを詳細に見ない。それは、習い事の先生やコーチの仕事で、自分はその領域が素人だからという理由で見ない場合が多い。
4.「算数が得意」「本を読むのが得意」「テニスが得意」という単位で得意領域を判断し、算数の中の得意分野、どんな本に関心が高いか、テニスのサーブが上手いのかバックハンドが得意なのか、、等の詳細に目を向けない。
上記1と2は、得意領域探しをフラットな視点から実施していない例です。本来なら、親や兄弟も違った個性を持っているはずであり、各個人の得意領域をフラットな視点で(親の感情や事情を抜きにして)探してあげる必要があります。従って「一度決めたらやり通せ!」というような事を言う段階ではなく、様々な事にチャレンジさせてみるか、専門能力の高さがほぼ明確に見えてる場合には、その領域を優先させてトライさせると良いと思います。
因みに我が家ではこの時期に3人の子がはまった習い事は見事に三者三様でした。後に理系教科で良い結果を出すようになった長男はそろばん、ピアノ、マラソン、今ミュージカルがやれる部活のある中学を目指してる長女はバレエにはまり、正に今この時期の最後(小3)を迎えている次女はあるマイナースポーツにどはまり中です。
上記3と4は、得意領域探しを詳細レベルでやれていない例です。本来なら、学校や習い事に行っている最中の本人の姿やアウトプット(ノートや先生による評価結果)を良く認識し、「算数の中でも計算系は得意で形を認識するような問題は苦手そう」「バレエのステップはそこそこだけど、表現力は抜群」など、詳細を踏まえて「より適性のある」得意領域を探してあげる必要があります。
我が家では長女は得意領域が明確だったので、割と早め(年長)にバレエで落ち着きました。一方長男は得意領域として明確であったそろばんは早め(小1初め)に落ち着いたのですが、身体を動かす事が好きなのに、フラットに見て適性のあるスポーツがなかなか見つかりませんでした。私は野球経験者なのですが、バットを持つ時は顔だけピッチャーに向けて体は横に向くという形を作る事が難しく、幼稚園の剣道の授業で「面」の練習をしている際、口では「め〜ん!」と言いながら手元が狂って胴を叩いてました。勿論どちらも小さい子がやる事ですので微笑ましく見てはいたのですが、一方で「この子はこんなに身体を動かす事が好きなんだから、何か比較的高い専門能力を見つけてあげたい!」と常々考えていました。そんな折、公園で彼と鬼ごっこをしていた所、彼が鬼役になった時に永遠に追いかけてきました。パパには絶対に追いつけないのに、逃げても逃げても追いかけてきた姿を見て、「長距離だ!」と思いついたのです。当然幼稚園ではまだ長距離走はやりませんし、短距離走が遅かった彼を見て「走る事や陸上競技は苦手だ」と決めつけていたら持久力という更に詳細な得意領域に気づけなかったと思います。
この経験は私としても目から鱗であり、次女にも活かされました。次女はスポーツが好き、且つ得意であり、テニスをやらせていました。1年位続けた所、そこそこ上達していたのですが、何となく彼女の潜在能力か完全に発揮し切れていない感覚があったため、再度詳細レベルで考えてみました。すると、学年一早い足があまり活かせていない事、テニスや野球等の速い球を追いかけるための動体視力が命であるスポーツをやるにはそこまでの動体視力を持っていない事(テニスのプレイを見続けて、球への反応を見て分かりました)、サーブがめちゃくちゃ早い事に気付いたのです。そこで、肩と足を活かせる別のマイナースポーツの体験に行かせた所、体験会が終わってすぐに本人が「このスポーツやりたいっ!」と言ってから早2年が経ち、チームMVPを取るようになりました。テニスをやっていた時に次女の能力を詳細に考えなければ、この展開にはなりませんでしたし、詳細に考えるという発想は、ふとした時に長男の持久力に気付いた事で産まれたものでした。
ここまで書くと明確かと思いますが、子供の得意領域をフラットに詳細レベルで探すという行為には、膨大な時間、子供の個性に対する多大なる興味、自分の感情や事情を抑える自制心が必要になります。この「目的意識を育てるための出発点」が、様々な大人の事情のために満たせない事が多く、それがすなわち「目的意識を根付かせる事の難しさ」になります。
ではなぜ得意領域探しが目的意識を育てるための出発点なのでしょうか?
目的意識は、子供が自分の口で「僕/私は××をやりたいっ!」と発する事から始まるからです。そしてこの頃の子供がこの言葉を発する対象となるのは、ほとんどの場合は「得意領域」です。「お母さんの果たせなかった夢を追うために××をやりたい!」とか「苦手領域を克服するのが好きなので××をやりたい!」という台詞を自主的に発する子は稀であり、多くの子は「(得意領域をやると上手くいって楽しいから、楽しむ事を目的として)××をやりたい!」と言う事でしょう。
さて、本題に入ります。目的意識を根付かせる事の難しさと、教育法です。我が家の実体験をベースに年齢別にご紹介したいと思います。
【幼稚園年長〜小学3年生】
専門能力が比較的高そうな分野を見つける期間です。専門能力の詳細はファクター②として説明したいと思いますが、ここでは得意領域と同意と思って頂けたらと思います。
この得意領域探しは多くの親御さんがされている事だとは思いますが、「フラット」且つ「詳細」にやられている方はそんなに多くないと思っています。よく見られる例を挙げてみます。
1.自分の得意領域は子供も得意領域だと思いこみ、フラットに見て適性がない場合でもやらせ続ける。
2.兄弟がいると、切磋琢磨できる、同じテーマで盛り上がれる、送り迎えが楽・・等の理由で皆に一律の事をやらせる。中にはフラットに見て適性がない子がいてもやらせ続ける。(一度このスタンスを取ってしまうと、適性がないと分かっても「落ちこぼれ」感が出てしまうから1人だけ辞めさせるわけにはいかなくなる)
3.習い事は沢山させるが、子供が取り組んでいる姿を見ない。または、見ても「楽しそう」「つまらなそう」という感情面だけを見て、何が出来ていて何が出来ていないかを詳細に見ない。それは、習い事の先生やコーチの仕事で、自分はその領域が素人だからという理由で見ない場合が多い。
4.「算数が得意」「本を読むのが得意」「テニスが得意」という単位で得意領域を判断し、算数の中の得意分野、どんな本に関心が高いか、テニスのサーブが上手いのかバックハンドが得意なのか、、等の詳細に目を向けない。
上記1と2は、得意領域探しをフラットな視点から実施していない例です。本来なら、親や兄弟も違った個性を持っているはずであり、各個人の得意領域をフラットな視点で(親の感情や事情を抜きにして)探してあげる必要があります。従って「一度決めたらやり通せ!」というような事を言う段階ではなく、様々な事にチャレンジさせてみるか、専門能力の高さがほぼ明確に見えてる場合には、その領域を優先させてトライさせると良いと思います。
因みに我が家ではこの時期に3人の子がはまった習い事は見事に三者三様でした。後に理系教科で良い結果を出すようになった長男はそろばん、ピアノ、マラソン、今ミュージカルがやれる部活のある中学を目指してる長女はバレエにはまり、正に今この時期の最後(小3)を迎えている次女はあるマイナースポーツにどはまり中です。
上記3と4は、得意領域探しを詳細レベルでやれていない例です。本来なら、学校や習い事に行っている最中の本人の姿やアウトプット(ノートや先生による評価結果)を良く認識し、「算数の中でも計算系は得意で形を認識するような問題は苦手そう」「バレエのステップはそこそこだけど、表現力は抜群」など、詳細を踏まえて「より適性のある」得意領域を探してあげる必要があります。
我が家では長女は得意領域が明確だったので、割と早め(年長)にバレエで落ち着きました。一方長男は得意領域として明確であったそろばんは早め(小1初め)に落ち着いたのですが、身体を動かす事が好きなのに、フラットに見て適性のあるスポーツがなかなか見つかりませんでした。私は野球経験者なのですが、バットを持つ時は顔だけピッチャーに向けて体は横に向くという形を作る事が難しく、幼稚園の剣道の授業で「面」の練習をしている際、口では「め〜ん!」と言いながら手元が狂って胴を叩いてました。勿論どちらも小さい子がやる事ですので微笑ましく見てはいたのですが、一方で「この子はこんなに身体を動かす事が好きなんだから、何か比較的高い専門能力を見つけてあげたい!」と常々考えていました。そんな折、公園で彼と鬼ごっこをしていた所、彼が鬼役になった時に永遠に追いかけてきました。パパには絶対に追いつけないのに、逃げても逃げても追いかけてきた姿を見て、「長距離だ!」と思いついたのです。当然幼稚園ではまだ長距離走はやりませんし、短距離走が遅かった彼を見て「走る事や陸上競技は苦手だ」と決めつけていたら持久力という更に詳細な得意領域に気づけなかったと思います。
この経験は私としても目から鱗であり、次女にも活かされました。次女はスポーツが好き、且つ得意であり、テニスをやらせていました。1年位続けた所、そこそこ上達していたのですが、何となく彼女の潜在能力か完全に発揮し切れていない感覚があったため、再度詳細レベルで考えてみました。すると、学年一早い足があまり活かせていない事、テニスや野球等の速い球を追いかけるための動体視力が命であるスポーツをやるにはそこまでの動体視力を持っていない事(テニスのプレイを見続けて、球への反応を見て分かりました)、サーブがめちゃくちゃ早い事に気付いたのです。そこで、肩と足を活かせる別のマイナースポーツの体験に行かせた所、体験会が終わってすぐに本人が「このスポーツやりたいっ!」と言ってから早2年が経ち、チームMVPを取るようになりました。テニスをやっていた時に次女の能力を詳細に考えなければ、この展開にはなりませんでしたし、詳細に考えるという発想は、ふとした時に長男の持久力に気付いた事で産まれたものでした。
ここまで書くと明確かと思いますが、子供の得意領域をフラットに詳細レベルで探すという行為には、膨大な時間、子供の個性に対する多大なる興味、自分の感情や事情を抑える自制心が必要になります。この「目的意識を育てるための出発点」が、様々な大人の事情のために満たせない事が多く、それがすなわち「目的意識を根付かせる事の難しさ」になります。
ではなぜ得意領域探しが目的意識を育てるための出発点なのでしょうか?
目的意識は、子供が自分の口で「僕/私は××をやりたいっ!」と発する事から始まるからです。そしてこの頃の子供がこの言葉を発する対象となるのは、ほとんどの場合は「得意領域」です。「お母さんの果たせなかった夢を追うために××をやりたい!」とか「苦手領域を克服するのが好きなので××をやりたい!」という台詞を自主的に発する子は稀であり、多くの子は「(得意領域をやると上手くいって楽しいから、楽しむ事を目的として)××をやりたい!」と言う事でしょう。
この言葉を発してもらうための手法が、『フラットで詳細レベルの得意領域探し』です。
次回は、4年生以降について中学受験をテーマに、更に目的意識について話したいと思いますが、3年生までに今回話した得意領域探しを通じて「僕/私は××をやりたい!」と言えるようになっていると(目的意識の基礎を身に付けていると)、受験において圧倒的に優位に立っており、更には社会人として「ある程度成功」するためにも優位性を築き始めていると思います。
(従って中学受験が必須であるわけではなく、私としては目的意識を根付かせるために中学受験を利用させて頂いてるという感覚です。違うやり方でも十分に目的意識を高める方法あるかと思います)
次回は、4年生以降について中学受験をテーマに、更に目的意識について話したいと思いますが、3年生までに今回話した得意領域探しを通じて「僕/私は××をやりたい!」と言えるようになっていると(目的意識の基礎を身に付けていると)、受験において圧倒的に優位に立っており、更には社会人として「ある程度成功」するためにも優位性を築き始めていると思います。
(従って中学受験が必須であるわけではなく、私としては目的意識を根付かせるために中学受験を利用させて頂いてるという感覚です。違うやり方でも十分に目的意識を高める方法あるかと思います)