著者：明野 照葉/2010
あらすじ
牧丘南欧子、三十四歳。つまらない仕事。くだらない恋人。サエない日常。下り坂の人生だ。
そんな時、突然の申し出が舞い込む。ある人物が彼女を見込んで雇いたいと言っている。
ついては、試用期間の契約を結びたいというのだ。提示された多額の報酬と不思議な仕事内容。
その契約書が彼女の運命を大きく変えてゆく…。女性心理の暗部を抉る傑作サスペンス。
さとりん評 85点
ついつい３０代女性の冴えない日々をテーマにした小説に惹かれます。
学生の頃の栄光をいつまでも忘れられなくて、
現状のつまらない日々を過去を比べては嘆く。
思いっきり自己責任なのに、何かと理由をつけては他や誰かのせいにする。
「今の私は、あのせいだ」ってね。
読みながら、バカな女・・・・と思わずにはいられない。
そしてそんな自分にふりかかる奇妙なできごと。
選ばれた私・・・・と勘違いし、だんだんと迫りくる影に恐怖する。
いつまでたっても正体がわからない。
惹き込まれます。ぜひ。