映画な俳優たちの流れから舞台やドラマの会見の司会も頼まれるのですが、本日は溝口健二監督の『夜の女たち』を長塚圭史さんがオリジナルミュージカルとして書き上げた舞台の製作発表会見をしに、KAAT神奈川芸術劇場へ。


ふと気付く。
フリーアナウンサーでもないのに、司会もずっと頼まれて来たことの不思議な人生。


だけど行き着くところに俳優たちの人生があり、映画に絡んだ作品が生まれるという摩訶不思議。


田中絹代主演のモノクロ映画は、戦後の日本で生きる為に身体を売ることしかなかった女たちの姿を映し出していたけれど、長塚圭史さんは彼女たちの内心を歌に変えてミュージカルとして「今」に伝えようとしている。


江口のりこさんがあの時代に身体を売って生きた女性について記者に質問され、「まだ稽古で毎回打ちのめされながら返ってきては役をつかもうとしている最中で、そこまでたどり着けていないので答えられず申し訳ないです」という潔さも好感度が高かった。


そうよ、簡単なことではない。その時代に生きたわけではない、だからこそ稽古で役の心情を掴んでいく。簡単には答えられない。

江口さんの妹役が前田敦子さん




義理の妹に伊原六花さん。




夫役は前田旺志郎さん、そして彼女たちの人生を変える社長役に大東駿介さん、病院の院長には、北村有起哉さんという顔ぶれ。


映画より舞台は男たちのバックボーンや思いを色濃くしていて、そこは長塚圭史さんのオリジナル部分。


ウクライナの戦争がニュースで流れる今の時代に、戦後の日本をミュージカル仕立てで心情を歌に変えて見せていく本作。


歌のレッスンに奮闘中という俳優陣は、本番できっと私たちに「戦争で人生が変わってしまう危機」に気づかせてくれるに違いない。