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太平洋戦争の中

日本で唯一、一般の市民が地上戦を体験し

20万人の命を失ったと言われる沖縄。


その日が、今日であり、慰霊の日とされています。


亡くなった父親は昭和一桁生まれで

生前はよく

戦争へ行くことを憧れ、軍事学校に通っていたら

終戦を迎えてしまったことや

山本五十六や東條英機の話をしたり

戦死した兄(私にとっては叔父)の話をしてくれたのだけど

幼いながら腑に落ちなかったのが

どうして戦争に行きたかったのか?

だったのです。


戦艦大和に乗りたかった。


多分そんな思いもあったようで

戦争の話に興味を持った私は

おじいちゃんにも話を聞いたり

父の本棚にあった分厚い本

「トラトラトラ」を読んだりしてみたのだけど

分厚いわ、古めかしいわ

当時の私には難しすぎて

やっぱり

人が沢山死ぬ戦争へ憧れた父のことは

理解出来なかったのです。


山崎貴監督のまもなく公開作

「アルギメデスの大戦」を試写で見て

今、なぜ、映画化したのか考えながら

当時、強気だった日本軍人や

その教育により

お国のために生き、見事な戦死を遂げる

という言葉を父の背景からも思い出して

また怖くなり。


菅田将暉くん演じる天才数学者の大学生が

戦争への足音に脅かされながら

戦艦の製作を阻止すべく

奔走する様はリアルで

胸がざわめき立ち

その先に待つ結末

舘ひろしさんが演じた山本五十六の言葉に

衝撃を受け、試写室を出て。


小学生の時に見た戦争映画は

脳裏にこびりついて離れず

高校生のお姉さん達が

負傷兵を看護し、自分達も逃げ場を失い

追い詰められ、命を落としていく姿を見て

涙が止まらず

戦争の恐ろしさをまさに疑似体験したような

感覚でありました。

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1982年の映画「ひめゆりの塔」

栗原小巻さんが先生

古手川祐子さんが生徒のひとりを演じたものを

日比谷の東宝の映画館で見た思い出。


これから恋を知り

いつか母親になるであろう女の子たちが

無邪気に歌い、水遊びをし

先生を信頼する姿が愛くるしく。


そんな彼女たちが

戦争が悪化する中

戦争の恐ろしさを実体験し

目の前で人が苦しみ、死に

目の前で友達が死ぬ姿を見て

死までも決断する悲しさ。


今でも目に焼き付いています。


この実話は

何度も映画化され

1953年の香川京子さん主演の

「ひめゆりの塔」が最初に映画化されたもの。

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吉永小百合さん主演の

「あゝひめゆりの塔」(1968)

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この1982年版 今井正監督作。


そして最近では神山征二郎監督

沢口靖子さん主演

1995年版があります。

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どれも、悲しいほどの傑作でありました。


そんな

ひめゆり学徒隊の女の子たちの被害を

現代にも伝える「ひめゆり平和祈念資料館」

も今年で30周年。


今日も遺族の人たちを含め

350人が「ひめゆりの塔」の前で

戦時中の卒業式で歌うはずだった

「別れの曲」を唄って手を合わせたそう。


戦争はあってはならない。


「お国のために死ぬ」なんて

私個人は

そんな言葉、美しくもなんともなく

人の命を他人が無断で奪うことこそ

最悪だということは明らかだから。


平和であってほしい。


世界から戦いが消えますように。