私は

小さい頃から

人の心に興味があった。


その中でも犯罪心理学は

特に興味があった。


だからこの映画の原作

「友罪」のモデルになったと噂されている

少年A「酒鬼薔薇聖斗事件」は

当時、様々な精神分析医の解説を読み

これこそ

14歳の複雑な心が巻き起こした事件であり

家庭環境、生活環境、様々な調査をし

原因を調べても

その心を治す難しさについても

多くの学者が頭を抱えていた事件だった。


加害者、被害者の事件当時の年齢からも

取り扱うには

とてもセンシティブな事件。


ただし

原作も映画もあくまでもフィクション。


「少年法」により守られた加害者が

大人になり

「少年法の原則になる

未成年は成人と違い

厚生する能力があるのか?」

という社会的な問いと

「重い犯罪を犯した過去を持つ人と

親友になれるのか?恋人になれるのか?」

という人の心への問いをテーマにした

人間ドラマでありました。


心理学や心理カウンセリングを

学び

人の心を理解しよう学んでみると

見えてくる壁。


それは

人の心の全てを他人は理解出来ないし

なんなら自分自身も

理解出来ていないのかもしれない

という問い。


犯罪者を作るのは

「社会」だけでも「家庭環境」だけでもない。


映画「友罪」では

自分自身のことを理解し切っていない

人々が多く登場する。


生田斗真さん演じる

過去の出来事に囚われ、背負い続ける元記者も。


夏帆さん演じる

愛だと思い込んでAVまで撮られた過去を持つ

少年Aと恋仲になる女性も。


佐藤浩市さん演じる

死亡事故を起こした息子の罪を背負うのが

親の責任と思い込んで過去に囚われている

タクシー運転手も。


富田靖子さん演じる

娘と亀裂がある医療少年院の観察官も。


瑛太さん演じる

少年Aも。


この映画は

エンタテインメントらしいお涙頂戴モノにも

もちろんハッピーエンドにも

誰かの心を説明する演出もしていない。


ただただ思うのは

答えがないのが、心であり

けれど人は心に向き合って

人と向き合って生きていくことで

人と共に生きる世界の秩序を保つということ。


犯罪を無くすことは難しいだろうが

他人事だからと見て見ぬふりをすると

恐ろしい結果を招きかねないということ。


誰もが近隣の人と顔見知りになることも

事件を減らすきっかけになる。


誰かと「深く心を通わせる」ことで

人は必ず成長していくのだろうと

この映画は伝えている気がした。


「愛」を知らなければ

心は育たないということだろう。