「この映画、とても良かったので見てください」

と、とあるマネージャーから言われ

制作プロデューサーのおひとりが

「あっ!」という

身近な方でありまして

公開直前ギリギリセーフな滑り込み

試写での鑑賞でありました。


この頃

映画とは?

とか

仕事とは?

とか

思うことあり

なんとなく

エンタテインメントな映画より

職人的な映画の試写を好んでおりました。


はい、とても反省。


山崎賢人くん主演、東宝映画

というだけで

若者向けの青春映画だと思い込んだ

自分の「決め付け脳」よ、馬鹿め!


そもそも

山崎賢人くんが演じる主人公は

ピアノの調律師を目指す新米、ってことからも

職人映画じゃないか!


あらすじは至ってシンプル。


ピアノの調律師さんの作業に一目惚れした

青年が、先輩の側で修行を経て

様々なピアノと出会い

ピアノを弾く人の心に触れ

"どんな"調律師になるか気付いていく物語。


しかもこの主人公の

ピュアさと戸惑いと夢の仕事を続ける上での

壁に悩む姿は、間違いなく山崎賢人くんしか

出来ない心の葛藤だった。


そして

驚くことに

私の"今の心"に触れた‼︎


調律師でも、ピアノを弾くでも

もちろん新人でもない私の琴線に触れた‼︎


良い原作を映画にする意味こそ

こういう理由なのかもしれない。


この映画は

"どんな未来を描きたいか?"

模索中の人が見るとなお突き刺さると思った。


もちろん、夢を追い始めた人には

主人公の気持ちが痛いほど分かる。


私みたいに

夢のレールには乗れたものの

映画の司会では後輩さんも現れ

どーやらベテラン。


映画評論的なところでは

映画賞の審査員席では大先輩も居るし

年齢的には下っ端。


なんの位置なのかよく分からない

中堅どころなのか?


的な位置にいる人には

主人公の先輩である鈴木亮平さんの立場や

時には大先輩の三浦友和さんの目線で

この映画に共鳴するんじゃなかろうか?


やりたいことを見つける時は

きっとまだ自分のため。


やり始めてしばらくして気付く

誰のためにこの仕事をしているのか?


そして

やっていくうちに突然見えてくる

もっとシンプルな職人的感覚。


映画では

ピアノを弾く人に合わせ

その人の音色を良くするために調律をし

やがて

自分の調律で演奏を台無しにしたかもと嘆く。


たしかにどんなことでも共同作業。


私がこの映画でとても好きなセリフは

山崎賢人くん扮する主人公が

先輩に言い返すシーンでの言葉。


「音楽は競争じゃないんです!」


大会やコンクールがあり

競う場があろうとも

そこに執着せずに

ただただ、奏でられることへの喜びに

満ちて演奏出来たらとても幸せ。


だけど、日々、誰かと比較されてしまう

世の中で、そうはなかなかいかないものよ。


そんな時

気付ければいいのが

自分が、仕事をする上で理想とする表現の仕方。


私だったら

司会をしている時は

会場の一番後ろの人たちまで

会話に参加しているような

全体がひとつになる包み込むステージ。


映画を紹介することに関しては

言葉で身体で 

感じたことを少しでも伝えられるよう

目一杯表現出来たら

魅せるトークが出来たら

もしかしたら

誰かの琴線にふれるんじゃないかと思う。


気に入らない人もいるだろうし

好んでくれる人もいるだろうし

それが映画でも描かれているのだけど

それでいいと思う。


だって

調律師も様々なタイプの調律師がいるように

自分の仕事にも様々なタイプの同業者が居て

その人に合う調律師がピアノの調律を

任されるのだものね。


だからこそ

それぞれの個性が光るんだものね。


と映画から教えていただきました。


にしても上白石姉妹、素晴らしかった!

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