「この映画、好き嫌い出るんですよ」


試写後に、感想を求められ、そう言われる映画が時々あるのですよ。


この

ドイツ映画「君がくれたグッドライフ」

もそう言われた。


何故なの?


あ、"尊厳死"という難しいテーマをポジティブに描いているからかもしれない。


自転車で仲間と旅をする、を趣味にしていた男がALSと診断され

自分の父親も同じ病で、母が献身的に介抱する姿を見ていたこともあり

安楽死を合法的に認めているベルギーを終点に

仲間とツーリングしてからこの世界と別れを告げようと決める。


妻と母はこの決断を知っていて、いつものように誘われた仲間たちは知らず。


あらすじで、充分語ってしまっているみたいで、申し訳ないけれど

物語は、この奥にある人々の感情が軸なので大丈夫。


映画の結末は、見て欲しいので、語りたいけれど語らない。


私が妻だったら。


私が母だったら。


そして、私が本人だったら。


客観的に見られないくらい、胸が苦しくなった。


宮藤官九郎監督の

「TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ」

で大笑いし過ぎたばかりだったから

死んだ先も案外面白いかも?


地獄って飽きないかも?


とか思えたから

少しは恐怖から解放され😅





あ、この映画は

絶賛だらけという噂も

テーマが笑えないものの

きっと

ぶっ飛んだコメディという

振り切れ感のお陰で、誰もが迷いなく笑えるからなのだけど。


「君がくれたグッドライフ」


お涙頂戴ものに作っていないから、泣いていいのか分からない。


尊厳死という決断をした本人と人々との意見のぶつかり合いがあまりないのが気に入らない。


そういう見方があるかもしれない。


だけれど

だから良いんだよ、というのが私の感覚。


この映画は

仲間、妻、家族という

とびきり愛する人たちと輝かせた人生への賛歌だから。



「世界から猫が消えたなら」


劇中でも言っている。


死の宣告を受けて、取り乱すかと思ったら、案外、冷静だった、と。


そして静かに

主人公が大切なものに気付き、このひとつひとつに向き合っていくのが

「世界から猫が消えたなら」





そうだ

コーエン兄弟の「ヘイル、シーザー!」


賛否両論があると言われ。


どうしてか賛否両論が出る映画を好む傾向があるのかな?


物語がない、分かりづらい、というのが、非の意見らしい。


コーエン兄弟ってもともと

物語がありそうでなさそうなぶつ切り編集が個性な監督でしょ?


代表作「ファーゴ」だってそう。


主人公がひとりではなく、大勢という脚本の書き方と編集の仕方がコーエン兄弟ならでは。


だから

それぞれのその時の行動、言動が、ぶつ切りに綴られていき

やがて

ひとつの物語の終点に。


その物語に関わる人々の行動、言動で、その人たちの性格が見えて来て

その人たちの個性的過ぎるところが滑稽で面白くて仕方がないでしょ?


というのが、コーエン兄弟の作風。



個性的な映画って

賛否両論分かれるのね。


個性的だから

好きなんだけどな🤗



今日、初日の

「世界から猫が消えたなら」

出演者

パンプくんと。