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長年この仕事をしてると

「お疲れ様でした。また」

と言い合うのが

監督や役者の皆との別れ際の挨拶になってて

瀧本智行監督とも

「脳男」は局制作の映画だったから

局映画以外、全部お世話になってますね、なんて

話をしてたのですよ。


生田斗真くんとも

「今度は「脳男」で一緒になった瀧本監督との映画が

ありますよ」

と聞いたのは

たしか「デビクロくん」の時だったかな。


そんな二人がまた一緒に映画を作るなんて

相思相愛だからよね。




名古屋の舞台挨拶時に生田くんが着ていたジャケット

を見て、カッコいいと言った監督のことを覚えていて

生田くんが似たようなジャケットを監督に

誕生日プレゼントとして送ったのが

この写真のジャケット。


40日間で映画を撮るって日本ならではで

最近では10日で撮る、なんていうのも多く。


浅野忠信さんが言ってたけど

「日本の役者には休みが必要」


そうそう

海外の映画は、普通に何ヵ月もかけて撮影するし

次の映画に入るまでの準備期間があるから

肉体改造やら役作りもインする前に充分出来たり。


日本は、俳優というと

映画だけでなくドラマにもと忙しく活動してるから

監督や撮影スタッフは限られた日数でいかに

良い画を撮るか!なのだもの。


瀧本監督は、渋谷の風景を先に撮り

スクランブル交差点のセットを作ってもらい

そこで俳優のシーンを撮影し、のちに合成したという!


瀧本監督曰く

「伊坂幸太郎さんの本を映画にするのはやっぱり難しい」


伊坂さんってたしか無類の映画好きって聞いた。


聞くとハリウッドのB級映画が特に好きで

(ご指摘ありがとう!B旧→B級に治しました)

この映画を撮る時も

「タランティーノっぽくならないように」

と思っていたそうな。


そう言われるとなんとなくわかるなぁ。

「ラッシュライフ」とかの堺雅人さんも

タランティーノ映画に出てきそうなキャラだし

「ゴールデンスランバー」の濱田岳くんも!


いうなれば

「フィッシュストーリー」の地球滅亡の日とか

時代が交差する展開とか、映画にするならそりゃぁ難解!


でも群像劇や殺し屋という本の時点で

クエンティン・タランティーノ監督の

「パルプ・フィクション」やら




男たちの巻き込まれバイオレンスで

「レザボア・ドッグス」の匂いがかすかにする。




巻き込まれ型エンタテインメントという

「グラスホッパー」は

登場人物がたくさん出てくるけれど

皆に愛情を注いでしっかり描かれているから

混乱せずにしっかりそれぞれのキャラクターに寄り添える。


だから見終わってすっきりするのよね。


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「グラスホッパー」のオープニング

バッタからのドローンを使っての空撮。


原作には渋谷なんて表記はなく

それこそシナリオハンティングで見出した場所。


「そもそも仙台(伊坂さんの住まい)に殺し屋なんて

 居るイメージはないんで、仙台が舞台ではなかったんです。

 東京の渋谷なんて、殺し屋が居そうでいいじゃないですか」

みたいなことを伊坂さんは監督に言ったそうですよ。


映像化したら面白いけれど

映像化するのは難しいといわれていた

「グラスホッパー」


2度見て、やっぱり面白かった!


キャスティングもベストだし

鈴木(生田くんの役)と彼女のロマンスも

描かれているので、更に切なさが増し

私は、大変好きでございます。