母の日を前に......


是枝裕和監督がカンヌ映画祭にも持って行く

6・13公開の新作


「海街diary」を試写で観てきました。


幼い頃に、父は女を作り、出て行き

母は、ショックから家を出てしまって以来

残された鎌倉の古い一軒家で暮らしてきた3人姉妹。


優しすぎる父は3度目の結婚後、病で亡くなり

お葬式で腹違いの妹と出会う。


正義感が強く、頑固で、母親のように妹たちと接する

長女(綾瀬はるか)は

すず(広瀬すず)という15歳の腹違いの妹を引き取ることに。


奔放で、男とお酒に弱い次女(長澤まさみ)。


ちょっと変わった趣味のマイペースな三女(夏帆)。


一気にお姉ちゃんを3人も持つことになったすずは

ずっと心に秘めていた両親への想いと

緊張感を少しづつ解きほぐしていく。



鎌倉の家で、4人姉妹それぞれの恋や人生の選択と共に

離れ離れに暮らす母(大竹しのぶ)への想い

うっすらと覚えている父への想いが流れ出す。


親に甘えられる環境ではなかったから

小さい頃から何でもひとりで背負い込んで

今まで子供の時間を失ったまま大人になった長女。


それは15歳のすずも一緒で

2人は、少しづつ少しづつ共鳴し合う。


母親が言う

「元はと言えばお父さんが女の人を作ったのが原因じゃない」

(だから私は、

 思い出の詰まった家にいるのが辛くて出て行ったのよ)


この母は、乙女でとても繊細で、やや自己中心。


父親は、人に優しすぎて、ほだされやすくて、愛情深い。


だから長女は、ずっと甘えることを知らないまま

自分にも人にも厳しく

しっかり愛情を注いでいこうと決めたのでしょうね。


菅野よう子さんが生み出す弦楽四重奏が

透明感のある景色や姉妹に見事に調和していて

更に物語を美しく、繊細に化粧していました。





私にとっては私的な映画になりました。


ずっと、わだかまっていた母と父の出来事があり

15年経った今、やっと母の後ろめたさからのわだかまりを

77歳の誕生日を前に、母自身が納得した上で

姉に連れられ、初めて父を許したような行動に出ました。


だからこの映画の姉妹の気持ちがなんとなくわかった。


大人にはいろんな事情があって

男と女にはいろんな感情が生まれて

それを見ていたら、だからこそ

自分の気持ちに嘘のない

愛しい人のそばで生きていきたいと思う。


長女は、好きになってはいけない人を好きになり

次女は、ダメ男と言われてもその人を好きになり

三女は、変わった趣味と言われてもその人を好きになり。


今日で

予定日まであと10日になり。


病院でお腹に機械を付けられて、しばらく寝かせられ

30分ほど、心音や動く音に耳を傾けていました。


この子が生まれたら、私も母になる。


その前に、母のわだかまりが消え

晴れやかな笑顔を見られて本当に良かった、と。


ちょっと私的なことを書いたから

母に悪いかな、きっと読まないだろうけど(苦笑)


でもあんまりにも嬉しくて。


ひとりで背負ってきた母だから。


後悔しない生き方を、母にも子供にもして欲しい。