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土曜日

初日の初回。


試写に行きそびれ、どうしても見たかった映画を

渋谷PARCOのオープンを待ち

シネクイントに飛び込んだのがこの映画。


「はじまりのうた」


ジョン・カーニー監督の前作

「ONCE ダブリンの街角で」


歌うことが好き。


歌を紡ぐことが好き。


そんな二人が出会って、こんなに気持ち良いくらい

歌で想いを流し合える相手と巡り合って幸せなのに

別の誰かがいたり、歌を多くの人に聞いてもらいたい

そんな想いがあったり。


歌に込めた想いの捉え方は人により色とりどり。


ましてや通じ合える相手は

世界にどれだけいるんだろ?


それこそ、運命的に出会うべき愛の相手みたいな

ものなんでしょうょ。


というわけで

大好きでした。


その監督の新作

「はじまりのうた」

はもっとダイレクトでもっとシンプルで

世俗的で当たり前な欲と、小さいけれど純度の高い

想いとがぶつかり合い、本来

自分にとって何が幸せか、に気付く愛の物語でした。


たまらなく好き。


マーク・ラファロ演じる自分の耳とセンスだけを

信じるかつての敏腕音楽プロデューサー。


ヒットするアーティスト作りを目指す

レコードレーベルとの考え方の違いから解雇され

ひとりバーに入り、耳にした歌声と曲。


彼ならではのアレンジが楽しいくらい勝手に溢れ

アコギ片手に愛の歌を歌うキーラ・ナイトレイ演じる
ヒロイン。


彼女との出会いから、彼は本来曲の持つ魅力を

どう演出するかに歓びを再び見いだし

別居中の妻の元に居るひとり娘とも

音楽を通して、心を通じはじめる。


そしてヒロインの彼女が、深く愛し

深く傷付いた元カレのメジャーデビューからの活躍。


歌は誰の為に作られたの?


歌を誰に届けたいの?


なんのために歌うの?


歌に限らず、スキを仕事にした全ての人に当てはまる


シンプルなはずで難しい未来予想図。


欲しいものがはっきりしていれば

自分にとって何が一番幸せかわかっていれば

遠回りすることなく

たどり着ける幸せ論。


けれど色んな誘惑や

自分がどうなりたいかわからないと

誰だって迷って悩んでこんがらがるから

それもまた人間らしいね、という映画でした。


スキだわ、たまらなく。