伊藤さとりオフィシャルブログ「さとりのひとりゴト あの映画のウラ・オモテ」Powered by Ameba

「昔、マネージャーが売り込みにいった先で

 ”彼女、個性が無いね。売りは何?"と聞かれ

 ”個性が無いのが、どんな役の色に染まるという彼女の個性です”

  と、言ったと話してくれたことがあって

 それで良かったと今は思います」


 と長澤まさみちゃん。


昨日の、『潔く柔く』公開トークイベントin東京国際映画祭にて。


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「長澤まさみは犬みたいな女優」(古厩智之監督)『ロボコン』


「長澤まさみは直みたいな(白いキャンパスみたいな女優」
 (犬童一心監督)『タッチ』


「長澤まさみは元気が貰える女優」(新城毅彦監督)『潔く柔く』


私は『ロボコン』から司会で出逢っているから

古厩監督と同じくらいの年月になるけれど

全部ではないけれど裏で会う彼女を見ていると

「長澤まさみは子犬のような女優」


でも、小型犬だからちょっぴり人見知りさんで、どこか怯えていて

でも馴染むとたまらなくカワイイという、八方美人ではない

独特の愛を心許した人に与える、という印象。


俳優業の人たちにはそんなところがあると思うのです。


私は、そんな彼女や彼らにどこか親近感を覚えるから

一緒に仕事を通して、彼女や彼らから

言葉を引き出すお手伝いをしたいと思う。


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「こんなの(マスコミ用の写真撮影)ロビーでやればいい。

 早くお客さんは映画を観たいだろうから」


 昨日のTIFFでのソフィア・コッポラ監督の発言は

 凛とした人柄が滲み出ていてカッコ良く。


事前打ち合わせでも、私の公式質問に、映画を見る前だし

それはまだ言いたくない、など、意見を言いながら

質問内容についても、一緒に考えてくれる職人肌。


『ブリングリング』な東京国際映画祭での舞台挨拶。


『ゴッドファーザー』なフランシス・F・コッポラ監督の血を嗣ぐ

彼女は、ディレクターな感性を、しっかり受け継いでいます。


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裏では、関わった学生スタッフと写真撮影し

皆で、シャンパンで来日を乾杯したのだけど

相変わらず、通訳の竹内万理さんの臨機応変な対応で

写真撮影にちょっと手間取った舞台挨拶もつつがなく。


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人には、それぞれ性質に適したポジションがある。


そんなことに気付いた映画祭での2つのイベント。


「充実」って言葉がきっとそうで

夢と現実の違いの中で、「充実」した環境を見つけ出すことが

「適職」なのかなって思いました。


まさみちゃんの話じゃないけれど

私は20歳の頃、世に言う、ナレーターコンパニオンで

オーディションへよく行き

「個性的でクセがあるから、TVレポーターをやったら?」

 と言われ、TVの世界へ行くと

「バラエティ向きだけど、ユルいキャラだし

 もっとド~ンと太るか、もっと痩せてキレイ売りするとか

 どっちかにならないと個性が光らない」
 
 と言われた。


 「個性?」


 大好きな映画の世界に入った20代中盤。


 ある新聞記者さんに

 「お前、喋りは良いけど、見た目の個性が今ひとつなんだよ。

  もともと本来エロっぽいんだから、エロ売りしたら?」

 
 今で言う檀蜜さんのような路線で行ったら

映画のタレントとして際立つとアドバイスされたのに

私は、逆にそれを隠して進むことを選んだ。


「なんで?」と聞かれると

自分自身をキャラ売りするほど自分という人間は面白くなくて

自分の心に抵抗感が生まれていて

めんどくさいくらいに映画にこだわり、「言葉」が好きで

「言葉遊び」で映画を伝えたり、役者や監督、製作陣の人柄が

映画にも反映している面白さを伝えることに喜びが生まれ。


当時は、TVでの映画コメンテーターと

映画の司会者の2本柱で仕事をしていたけれど

結果、今みたいに、タレント性より、映画の司会者の方が

際立って、そのイメージが強くなり。



それが「個性」な「適職」なんだろうと。


パンチのある外見でもなく、パンチのあるトークでもなく

誰かとの会話でのリアクションや返し、一言、を褒められ

だから「対談」の仕事が多いし

映画の司会でも、その作品の雰囲気に合わせて、声色や

ステージ立つ俳優さん達より控えめにしながら

身にまとう雰囲気を作るのが好きで、安心=充実するから。



誰かとのハーモニーで、自分ならではの個性が輝く。


でもこれって、ステージの真ん中に立っている俳優でも

物を作り名前を表に出す監督でも

それを影で支えるスタッフでも

経営者でも、会社員さんでも、学生でも同じ。


そんな人との関わりで、個性が光るんじゃないかなって。


今日も、そんな現場へ、六本木へ、東京国際映画祭へ

誰かの言葉を引き出しに行ってきます。