「頑張る」ということ。
これって見え見えだと格好悪いって思ってしまうのが本音。
だけど気付いて欲しいと思うのも本音。
頑張らないで、成果なんてないし
人の心を動かすことなんてないって思うから。
今、新国立劇場で見られる舞台「負傷者16人」
友達の東風万智子が出てるからワクワクしていたのだけど
母も姉もこの方のファンだからと誘ったら着いて来ました。
井上芳雄さんですね(笑)
終演後、ファンの方、ひとりひとりに挨拶に出て来た井上さん。
楽屋で今回の舞台や出演している映画『宇宙兄弟』の話しをしながら
ミュージカルから映画、ドラマ、そして今回の海外戯曲と
演技の仕方をどんどん増やしている過程を見て来て
見えない「頑張り」をしているんだろうなと思ったのでした。
万智子もそう。
益岡徹さんなどの演技者と仕事をすることも勉強になったって。
ブロードウェイで絶賛されたこの舞台。
オランダを舞台にしたユダヤ人パン職人とある出会いから
そこで働くことになったパレスチナ人の青年の心の交流や
それぞれの人種が抱える社会問題からの葛藤という
「心の難解さ」を演技で見せる舞台だった。
パン屋で働き、井上さん演じる民族紛争の中で育った
パレスチナ人青年と恋に落ちるダンサーの女性を演じることだって
その青年が抱える大きな心の闇を背負うことになってしまうから
それはそれは体力と精神力を使う役作りだったから。
「頑張ったね」なんて言いたくないし
それは当事者が誰よりも理解していること。
大きな拍手と心に潤いを与えてくれたお礼が口から出ちゃった。
見えない頑張りって、結果として美しいものに変化して
目の前に現れるから、だから彼女に感謝とお疲れさまを込め
ラベンダーのアロマキャンドルとクマ柄ランタンを作ってみた。
私も人に「頑張ってる姿」を見て気付いてもらって
「良かった」と言われるだけで
「もっと頑張ろう」って思うんだよな。
「無理せず自然と頑張れる」ってそういうことなのかもしれない。